2位 完成度高めた多機能ワンセグ端末――「gigabeat V30E」
3位 “究極版”ヤマト発進、全長76センチで動く・鳴る・光る
4位 高機能シェーバーが変える、貴重な“朝の3分間”──フィリップス「HQ9190CC」
5位 コンパクトに折りたたみ、静かに聴く――ビクター「HP-NC80」
7位 会社で“蟻の巣”を育ててみた――バンダイ「ants life studio」
8位 帰ってきたハイエンドコンパクト――キヤノン「PowerShot G7」
先週のトップは、ナショナル彦根工場の潜入記事がゲット。懐かしいマッサージ椅子の数々に古い記憶を呼び起こされた人も多いのではないだろうか?
というわけで、さっそく二番煎じ。今回は、やはり「モミモミ歴品館」に展示されていた乗馬フィットネスマシン「ジョーバ」の歴史を紐解いてみよう。
ジョーバは、欧米で人気のあった“乗馬療法”を取り入れた家庭用のフィットネスマシンだ。乗馬療法は、「馬に乗ってバランスをとることにより、背筋・腹筋を中心とする筋力強化、腰痛の予防とバランス感覚の改善が期待できる」(ナショナル)というもの。乗っている人が意識的に“努力”しなくても運動できる点も大きなメリットだ。
同社は1990年代前半から乗馬療法に着目。95年にはサラブレッドの鞍の動きを3次元データで解析し、乗馬を疑似体験できる「馬型6本足ロボット」を試作した。当時の写真を見ると、シリンダーが束になったようなメカニカルな脚の上に、ダミーの“馬”が乗ったようなスタイルで、まさに馬ロボット。ちゃんと頭も付いていた。
1998年10月には、試作機のスタイルを踏襲した「VR乗馬エクサ」を発売。家庭用ではなく、施設向けの商品として開発されたもので、老人福祉施設や公共施設など4件に導入実績がある。価格は2000万円だった。
ちょうど2年後となる2000年10月。今度は世界初の民生用乗馬運動機器として初代「ジョーバ」(EU6401)が登場する。EU6401は、VR乗馬エクサに使われていた3次元データの中から、腹筋や背筋に効果的に作用する3つの動き(前後スライド、前後スイング、左右スイング)の動きを抽出。3次元で動作する機構を独自開発して搭載するなど、意欲的な製品だった。
ちなみに初代「ジョーバ」は、座部が上下2つに分かれており、上部を引き起こすと“リラックスチェア”として使用することができた。便利な機能だが、実は「乗馬運動だけで売れる自信がなかった」ことの裏返し。やはり「あまり売れなかった」(同社)らしい。
2代目「EU6402」は、“リラックスチェア”機能を外し、乗馬フィットネスにフォーカスを絞る。鞍の動きは、自動コースで3段階、手動なら7段階になるなど、初代のデザインを踏襲しつつも、その後の高機能化路線を示唆するモデルとなった。
徐々に認知度を上げてきたジョーバフィットネスは、2003年3月に発売された3代目「EU6420」で人気に火がつく。EU6420は、スタイルを大胆に変え、座部側面にはエアーストレッチ機能を搭載した多機能モデルだ。太ももの筋力と股関節の柔軟性アップなど、さらに効果的に作用する。またこの頃のジョーバには、効果的な乗馬運動を解説する「ジョーバテラピー」や「ジョーバビクス」のビデオテープが同梱されるようになった。
現在販売されている4代目ジョーバ「EU6442」は、2005年発売。滑らかな「8の字動作」を基本としているが、ときにシートが前後に傾斜して負荷を増す大胆な動きが特徴だ。腰周りの筋肉をほぐし、鍛えるとともに、特定部位のシェイプアップが可能になったという。
また、今年6月には若い女性をターゲットにした「ジョーバフィット」(EU6310)を追加。乗馬運動の基本はそのままに、コンパクト化と低コストを図り、ワンルームマンションにも置ける簡単フィットネス機器として人気を集めている。
最近では深夜の通販番組で盛んに取り上げられ、類似商品も多く目にするようになった乗馬フィットネス機器。もちろん本家ナショナルも需要旺盛で、今年は「前年比で約3倍」になるという。彦根工場の生産ラインは、当分フル稼働状態が続きそうだ。
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