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リアプロでホームシアター環境の再構築を試みる(完結編)フルHDブラビア導入記(3/3 ページ)

» 2006年12月29日 11時49分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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ゲームはやはり1080pでの出力がベストか

 ほかに「ゲームでは使い物になるのか」という点が気になる人もいるだろう。ただ、この場合は応答速度と遅延が問題の中心になるわけで、いずれもリアプロジェクションという方式自体とは特に関係ない。応答速度はパネルの性能、遅延は主に画像処理回路に依存するもので、「KDS-50A2500」の場合、応答速度はほぼ問題なし、遅延のほうは少しあるが、プレイヤー側(人間のこと)で対応可能なレベルという印象だ。

 とはいえ、普段それほどゲームをするわけではなく、さらに、これらの条件について最もシビアと思われる格闘ゲームの類をプレイしない者なので、参考にならないかもしれないが……。いちおう、最近では「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」(GC)は最後までクリアしたが、アクション面で遅延に悩まされたという感覚はない。また、以前クリアした「God of War」(PS2)のGODモードもプレイしてみたが、最終ステージが抜けられないのは、遅延のせいなのか、1年ぶりにプレイしたせいなのかはわからない(おそらく後者)。

 また、こうした遅延に関しては、1080p入力時のほうが(DRCを通らないためか)若干少ない印象だ。PS3は残念ながら未導入だが、PC用ゲームの「GTR2」「OUTRUN 2006: COAST 2 COAST」を1080pでプレイしている(双方とも、1920×1080表示に設定可能なうえ、出力先としてセカンダリディスプレイを選択できるので便利)。余談だが、OUTRUNは業務用ムービングキャビネットでも62型画面(DLP方式のプロジェクションテレビか?)を採用しているため、ステアリングコントローラを取り付けたレーシングコクピットで遊んでいると、かなり近い雰囲気。さすがに、ムービングキャビネットの再現までは手が回らないが……。

Photo プロジェクションテレビの欠点は、やはり本体の奥行きだろうか。各社とも薄型化を進めており、実際の製品化も近いようだが……

 以上のように、プロジェクションテレビの導入は、全般として良好な結果をもたらしてくれている。ただ、液晶テレビやプラズマテレビと比較すると、やはり、本体のかさは張るものだ。つまり、奥行きがそこそこあるため、搬入/搬出時には薄型テレビよりも苦労することは間違いない。いったん家に入れてしまえば問題ではないのだが、買い替えの際には……と少しばかり心配だ。

 筐体とスクリーンはそのまま流用して、投影部や映像回路など、内部だけ新しいものにどんどん変えられるなんていう販売手法の製品が出てくれば、そうした懸念も少なくなり、プロジェクションテレビを導入する敷居もより低くなると思う(ユーザーに作業させるのが不安であれば、メーカーによる出張インストールサービスのみにすればいい)。究極的には、自作PCのように各パーツの規格が共通化され、購入時、あるいは買い替え時に、スクリーンはこのメーカー、光学系はこのメーカーなどと自由に組み合わせられると、なお面白い。もちろん、その場合は各パーツ間で調整をとる作業が難しくなるのはたしかだが、不可能な絵空事とは決して言い切れないのではなかろうか。

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