オートイーブイジャパンは1月25日、先日発表した伊スタートラブ製の電気自動車「ジラソーレ」を関係者にお披露目した。「ジラソーレ」はイタリア語で「ひまわり」の意で、ひまわりのように明るく生活を楽しむイタリア人の感性と、環境に優しいクリーンなイメージを表現したという。
「電気自動車との出会いはイタリア・フィレンツェ。知っていた“自動車”とはまったく違う乗り物であることに衝撃を受け、日本に持ち帰った。日本国内で走らせるための認可を得るには苦労もあったが、足かけ4年、ここまで来ることができた」
1983年にはサファリラリーで日本人最高位を記録、1990年にはスバル・コロニーF1チームの総監督を務めるなど、長くモータースポーツの世界に携わった経歴を持つ同社 代表取締役社長の高岡祥郎氏は、「人と自然が共生できるクルマ作りを目指した」というここまでの苦労をふり返る。
自動車としてのジラソーレにおいてもっとも特徴的なのは、メインフレームとなるアルミ合金製の中空パイプ。搭乗者を取り囲むようにレイアウトされており、高い剛性(静圧荷重4トン)と420キロという軽量な車体重量を両立している。このメインフレームは一部が外部へ露出しており、デザイン上のアクセントにもなっている。
駆動系がシンプルなため、コンパネも非常にシンプル。中央にはスピードメーターが設けられ、その下にはバッテリーの残容量を示すメーターが用意される。全長2345ミリとコンパクトなためシートも小柄だが、身長175センチの筆者が乗っても窮屈さは感じない。オプションでシートそのものを暖め/冷やす「クール&ウォームシート」も用意される。
駆動方式は後輪駆動の2WDで、モーターは後輪軸前部、バッテリーはシート下に収納されている。モーターは最大出力8.5kW/最大トルク26.0Nmのパワーを持ち、2人乗りでゼロから時速40キロメートルまでを約3.1秒で到達する。最高時速は時速65キロ。
「最も苦労した部分のひとつ」というバッテリーは、酸化鉄を使用したリチウムイオンバッテリー。3.6ボルト/150〜200Ahの小型バッテリーユニットを14〜16個搭載し、最長120キロの走行が行える。充電器も車体に内蔵されており、約6時間(家庭用の100ボルト電源を利用)で充電が完了する。一般的なガソリンエンジン車に比べてパーツ総数が少ないなどのメリットもあることから、同社では「ガソリン車の1/10のランニングコストを実現した」としている。
全長は2345ミリ、全幅は1260ミリ、全高は1510ミリ。ホイールベースは1725ミリ。サスペンションにはマクファーソンストラット(フロント)/トレーリングアーム(リア)を採用し、タイヤは135/70R13(ホイールサイズは4J×13)。
カラーはジャーロ(イエロー)のほか、ロッソイタリアーノ(イタリアンレッド)/ネロ(ブラック)/アズーロ(メタリックブルー)/グリジオ(メタリックグレー)/ビアンコ(ホワイト)が用意される。オプションとしてクール&ウォームシートのほか、アルミホイール、ハッチバック、急速充電器などが用意される。
気になる価格は少々お高い260万4000円(車両本体価格)だが、電気自動車であるために「クリーンエネルギー自動車等導入補助事業」の対象となり、最大で77万円の補助金交付を受けることが可能になっている。同社では社屋に試乗可能なショールームを設置するとともに、販売網の整備を急ぐ、向こう1年間で1000台の販売を目指す考えだ。
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