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人が集い、家がまとう“音”、ケンウッドデザイン(2/2 ページ)

» 2007年11月06日 00時39分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 もう1つの「Parasweet」(パラスウィート)は、今までにない電源を持ったパワードスピーカーだ。見た目は“長い帯が付いた薄い太鼓”といったところ。太鼓の部分には2Wayのスピーカーをステレオ(計4ユニット)で収納し、アンプやワイヤレスレシーバーも内蔵した。そして特徴的な長いフェルト地の帯は、電源ケーブルになっているという。

photophoto 「Parasweet」(パラスウィート)。右はデザイナーの原田元輝氏と藤島もえ氏

 「電源ケーブルは5メートルあります。今回はフェルトと電線だけですが、硬めの心線を通すことで、形を保持できるようになります」(デザイナーの藤島もえ氏)。

 電源ケーブルの形を変えて、スピーカーのスタンドにする。あるいはアーム代わりに柱に絡みつけるなど、さまざまな応用が可能だという。もちろん、単にスピーカーの装飾にしてもいい。スピーカーの支えからデコレーションまで、インテリアに合わせて文字通り柔軟に形を変える。

photophoto フェルト地のケーブルは裏表に異なる配色を施しているため、ねじれ1つで表情が変わる。デザインのモチーフはクローバーだ

 「ワイヤレスといっても、電源は必ず必要です。Parasweetもバッテリーは内蔵していますが、結局は充電が欠かせない。それなら逆に配線や充電を主役として捉え、新しい価値を電源コードに持たせたいと考えました」(デザイナーの原田元輝氏)。

photophoto コンセント部はケーブルの端に収納されている(左)。ワイヤレス送信機も同じデザイン(右)。ボリュームを含め、操作はすべて手元で行える

 コンセント部はケーブルの端に収納されており、充電時には横のスライドスイッチで押し出す仕組み。またバッテリー駆動時には先端のLEDが灯り、バッテリー残量によって白から緑へと色を変える。決して珍しくはない機構だが、クローバーをモチーフにしたデザインと組み合わせると、色の変化にも別の意味があるように思えてくるから不思議だ。


 Ohm Sweet Ohmに出品された2つのスピーカーは、現時点で製品化の予定はない。しかし、ワイヤレス化によって自由度を増したオーディオは、個室から出て家族や仲間同士で気軽に楽しむものへ幅を広げようとしている。ケンウッドが示したデザインの方向性は、新しいジャンルのオーディオ機器を生み出すのだろうか。

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