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ZMP、Windowsで動きが“見える”二足歩行ロボ

» 2007年11月29日 21時11分 公開
[ITmedia]

 ゼットエムピーは11月29日、学習教材/研究用の二足歩行ロボット「e-nuvo WALK ver.3」の販売を同日より開始したと発表した。価格は58万8000円。2004年よりスタートした、ロボットを活用するエンジニア教材「e-nuvo」の最新モデルだ。

photo e-nuvo WALK ver.3
photophoto 無骨な外観だが「PINOやnuvo、miuroで得た技術のフィードバックで高い信頼性を実現した」という

 e-nuvo WALK ver.3はマイクロソフトのロボット制御用統合開発プラットフォーム「Microsoft Robotics Studio」を採用した初の二足歩行ロボット。Robotics Studioは2006年12月にリリースされた、Visual C#、Visual Basic、Iron Pythonなどの言語を使ってロボット制御のアプリケーションを開発できる統合開発環境(Iron Rubyへの対応も検討中)。399ドルで販売されているが、学生や研究者、個人は無料で利用できる。

 Robotics Studioには物理演算処理プロセッサを利用した3Dバーチャルシミュレーション機能が用意されており、実際にロボットで試さずともPCの画面上でさまざまな動作を事前に検証できるほか、個々の動きを指す「ブロック」を画面上に並べるだけで制御プログラムを作成できるため、効率の良い学習や研究が可能となる。

photophoto
movieスクリーンに映し出されたPCの画面上と同じ動きをするe-nuvo WALK ver.3(.MP4形式)

 二足歩行の学習/研究開発用途ということもあり、外観は極めてシンプル。腰から下だけとなっており、サイズは353(高さ)×159(幅)×140(奥行き)ミリ、2.5キロ。関節自由度は足1本に付き、足首×2/ひざ×1/股関節×3の合計12関節。バッテリーは搭載せず、動作時にはACケーブルでの電源供給が必要。アクチュエーターには本製品にあわせて開発された双葉電子製の「ISM100C」が利用されている。

 アクチュエーターの制御を含めた体内通信には、車載LANインタフェースとして広く利用されているCAN(Controller Area Network)が採用されており、来年にはCAN接続の姿勢センサーもオプションとして発売される予定。拡張センサーについては、測距センサーやUSBカメラなども準備される。

 「ロボットへ実装しなくても、人工知能や経路探索、画像認識といったアプリケーションの動作を検証できる環境が欲しいと以前からリクエストされていた」とはゼットエムピーの代表取締役社長 谷口恒氏。Windowsベースの開発環境であるMicrosoft Robotics Studioを採用した理由については、ビジュアルプログラミング言語やシミュレーター環境が教育現場に適するからだという。

movieシュート!と思いきや後ずさる(.MP4形式)

 「いつも“ロボットの大衆化”を心がけており、利用者の多いWindows環境で開発が行えるのは良いことだと思う。これまでハードルが高いとロボット用アプリケーションの開発をあきらめていたひとが、これを機会に興味を持ってくれるかも知れない。e-nuvo WALK ver.3が、ソフトウェアやアプリケーションの開発をメインとする人たちにとってロボットというフィールドへ参入する第一歩になると思う」(谷口氏)

photo 左から双葉電子工業の金綱伸光氏(代表取締役副社長)、マクロソフトのTandy Trower氏(ロボティクスグループ ゼネラルマネージャー)、ゼットエムピーの谷口恒氏(代表取締役社長)

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