東京ビッグサイトで「2007国際ロボット展」が開催中だ。ロボットといえば、日本の“お家芸”というイメージが強いが、近年ではアジア圏を中心に幅広い地域でサービスロボットの実用化が進んでいる。今回は、“国際”ロボット展の醍醐味といえる海外製ロボットを紹介しよう。
まずは、経済発展が著しいベトナムからの参戦。ハイテク玩具メーカーTOSYが開発した「TOPIO」は、卓球が得意なピンポンロボットだ。
一昔前のロボットアニメを彷彿とさせる外観が、日本人に懐かしい印象を与えるTOPIO。しかし中身はかなりのハイテクで、全身に20自由度を持ち、卓球のボールを目で追い、軌道を計算してちゃんとコートに入るように打ち返す。また、人間よりも自由のきく手首を生かし、ドライブやカットといった上級テクニックもマスターしている。もちろん電源さえ確保すれば疲れ知らず。卓球の練習には最適だ。
残念ながら取材時は「調整中」だったため、TOPIOの華麗なラケットさばきを見ることはできなかった。これからロボット展に行く方は、ぜひチェックしていただきたい。
国内でも愛用者が急増している自動お掃除ロボットだが、韓国では一歩先をいく用途を発案したメーカーがあった。韓国Microrobotは、お掃除ロボットにカメラと無線LAN機能を内蔵。機動性を生かした留守番ロボットに仕上げた。製品名は「RobotCAM」だ。
RobotCAMは、本体前面に1.3MピクセルのCMOSカメラを搭載。さらに侵入者を検知する赤外線センサーを備え、家の中を監視する。ユーザーは携帯電話を使って外出先から留守宅の様子を確認できるほか、RobotCAMを遠隔操作して任意の場所に移動することも可能だ。窓枠用のセンサーアラームなどと連携する機能も用意する。
ただし、携帯電話からロボットにアクセスするにはネットワークサービスが不可欠。このため韓国では大手通信会社のSKテレコムがRobotCAMを販売するという。価格は日本円で8万円程度。12月末に発売する予定だ。
韓国といえば、日本よりも先にブロードバンドが発達した通信インフラ大国であり、大都市ではマンションの比率が高いことでも知られる。つまり、段差が苦手なお掃除ロボットでも、問題なく家中を移動できるわけだ。RobotCAMは、韓国のお国柄を反映したアイデア商品といえる。
かわいい目をした「ARO」は、ファミリーレストランなど外食産業の現場で働くヘルプロボット。料理は運べないが、お客がくると片手をあげて挨拶し(頬も赤くなる)、フロアを動き回って注文を受ける。お腹のタッチパネル付きディスプレイにメニューを表示する仕組みだ。
このほか、内蔵カメラを利用した写真撮影、ゲーム、クイズなど、子ども達が喜びそうな機能が盛りだくさん。開発元の韓国ED Corporationによると、既に複数の飲食店に納入することが決まっているという。
韓国ウリ技術が開発した「MURIDER」は、同社が2001年から販売しているエンターテイメントロボットの第3弾。2.1chのスピーカーと4.3インチのワイド液晶ディスプレイ(480×272ピクセル)を備え、SDカードに記録したWMAやMPEG-4などのメディアファイルを再生できる“移動するミニシアター”だ。
移動手段は、本体の左右に備えたホイール。リモコン操作で前進/後退や左右旋回など自在にコントロールできるほか、音楽に合わせてダンスを踊るように動いたり、音楽を再生しながらユーザーの後をついていく機能も盛り込んだ。
バッテリー駆動時間などの詳細は未公表ながら、韓国では間もなく販売が開始されるMURIDER。価格はちょっと高めになるようだが、秋葉原あたりで売っていても違和感はないだろう。
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