――“フォーマット戦争と言えるようなもの”が、実際にあったかどうかはともかく、消費者はそれがあったと考えているでしょうね。では、ワーナーの発表を受けて、フォーマット戦争のようなものは、いつ頃、終わるとお考えでしょうか?
パーソンズ氏: それは市場が決めることです。いつ終わるのかは、我々には判りません。消費者がBDを選択すれば、いずれは流通もBDのみを扱うようになるでしょう。今後、フォーマット戦争の完全な終結を決めるのは、我々ではなく消費者と流通です。これまでHDパッケージソフトを買うことは、消費者にとってリスキーなことだと認知されていたと思います。将来、もしかすると自分の購入したソフトが再生できなくなるかもしれない。しかし、今回のことでBDを選択することのリスクが減れば、市場での動きは加速してくるでしょう。
――今後、BDの競合相手はHD DVDではなく、「DVD」や「ネットワーク配信」ということになるのでしょうか?
パーソンズ氏: DVDからBDへの移行というのは、とても大きなチャレンジになると思います。HDTVが普及し、高解像度コンテンツの良さを知った消費者にとって、ベストな選択はDVDではなくBDだと認知してもらわなければなりません。
――ネットワーク配信はBDのライバルになるでしょうか? それともBD規格の中に、ダウンロードコンテンツも取り込んでいくのでしょうか?
パーソンズ氏: ネットワーク機能に関しては、まずコミュニケーション機能として対応していきます。BD Liveがそれです。ただしストリーム配信が定着するまでには、まだ10年ぐらいの時間はかかるでしょうし、さらにHDになるには長い道のりがあります。
ダウンロード販売に関しては、ワーナーが昨年、実験的に行っていましたが、その後の実験拡大、事業化を中断しています。私としては、購入したBDソフトのポータブル版を自分の携帯電話やポータブルプレーヤにダウンロードするといった、コンテンツを楽しめるシチュエーションを拡大する方向で、ダウンロードを活用していく方が可能性が高いと考えています。
――DVDユーザーにBDの良さを伝えていくことが大きなチャレンジになるとのことでしたが、具体的に何かプロモーションのプランを練っているのでしょうか?
パーソンズ氏: あくまで個人的なアイデアにしか過ぎませんが、実際の劇場でBDの映像を投影するといったこともおもしろいと思います。大きなシアターのスクリーンで映画を楽しんで貰えば、BDの映像がDVDとは全く異なるものだと視覚的に理解していただけるでしょう。これは大きな挑戦です。
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