さらにフォーマット戦争が終わるタイミングについては、「北米で約8割のコンテンツがBDだけでしか見ることが出来ないのですから、早期に決着が付くことを期待しています。現時点ではHD DVD対応ソフトも量販店で多数見かけます。これがBD一色になってくるのは、おそらく今年の年末ぐらいでしょう」と話す。
その後。つまりフォーマット戦争が終わった後は、今度はSD対応機器からHD対応機器への移行を推進するという新たなテーマが浮かび上がってくる。1つの目安として、オリンピック商戦において、ハイビジョンレコーダーのうち何割がBD対応になると読んでいるのか?
「おそらく5割ぐらいまで、BD搭載機が伸びると考えています。さらに、BD搭載レコーダーでなければ、HDのパッケージソフトは再生できません。それでは消費者にとっても不便ですし、パッケージソフトを再生できる環境を整備する意味でも、何時とは明言できませんが、なるべく早期にディーガのラインアップすべてをBD搭載機にしたいと思います」
BDとHD DVDが、それぞれに優位性を主張しあっていた時期には、「BDはディスク製造が難しすぎる。2層ディスクの安価な量産は無理」と攻撃された時期もあったが、パッケージ用のROMはもちろん、記録メディアも価格は徐々に下がってきている。
「例えばDVDを振り返ると、その初期は6ミリ貼り合わせなど、本当にできるのか? といった疑問もありました。実際、2層DVD-ROMは現実には製造できないと言われていたんです。しかしその後、次々に問題を解決して現在に至っています。では、DVDはダメな規格だったんでしょうか? もちろん、違いますよね」
「技術的なハードルを克服してこその技術企業であり、製造メーカーの本分だと思います。難しそうだからといって、最初から自分でハードルを下げては良いものはできません。無謀なチャレンジは良くありませんが、解決できる見込みがあるからこそ、BDを推進しました。この考え方は間違っていなかったと思います」
消費者の視点で見ると、次の興味はBDが普及することにより、どこまで記録メディアが下がるか? ではないだろうか。
「単層25GバイトのBD-Rが現在は1000円ぐらい。複数枚セットでは800円ぐらいの場合もあるでしょうか。最初のターゲットは1層で500円。2層に関しては、1層の“2倍以下”になるよう努力したいと思います。価格に関してはダブルチューナーで10万円を切ることが目標です。シングルチューナーで価格を下げるやり方もあるでしょうが、家族みんなで共有していると、あっという間に競合してしまう。ダブルどころか、トリプルチューナーが欲しいと思うこともあるぐらいですから、ダブルでの低価格化は必須だと思います」
また、これから先の技術開発に関しても「BDの多層化はまだ進めます。パッケージソフトに関しては規格が既に決まっていますが、技術面での解決策とニーズ発掘の可能性があるならば挑戦すべきだと考えています。多層化に関してはドライブ開発ではなく、ディスク製造の面でブレークスルーが必要ですが、決して不可能な話ではありません」と、これからも技術的な問題に挑戦していく姿勢を示した。
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