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パナソニック「TH-50PZ800」のカラーリマスター効果をBD版「ドラキュラ」で確認する山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.18(1/3 ページ)

» 2008年07月09日 13時05分 公開
[山本浩司,ITmedia]

 来月に迫った北京オリンピックを控え、この春以降、各社から力の入った薄型大画面テレビの新製品が相次いで発表された。筆者はそのほとんどすべてのモデルをチェックしているが、大きなトレンドとしてとらえたい動きが3つあったと思う。

 1つめが、日立製作所が先駆けて投入し、シャープが追随した“超薄軽量”液晶テレビの提案。最薄部で35ミリ以下、37V型で全体重量18キログラム以下を達成、壁掛け時に出っ張りを少なくした取り付け金具の提案やホワイト・フィニッシュなどを加えたラインアップ強化で、液晶テレビをよりインテリアコンシャスな存在に変身させたことは、注目に値する。

 2つめが、パイオニアが発案し、東芝が発展させた、インテリジェントな“おまかせ画質モード”の提案だ。コンテンツの内容やテレビが置かれた場所の照度環境をモニターし、それに合わせて自動的に最適画質をリプロデュースするこの機能。画質調整する知識のない人に、いつでもどこでもどんなコンテンツでも、高画質で映像作品を楽しむ安心を届けることができるようになったわけで、50年を越えるテレビの歴史の中でも、ひときわ重要な提案であったと思う。

photophoto 超薄型の先駆けとなった日立製作所のWooo「UTシリーズ」(左)。東芝の「おまかせモード」デモンストレーション(右)

 そして3番目、これが個人的には最も感心したことなのだが、大画面プラズマテレビの画質が、ここにきてまた大きく向上したことである。

 本連載でも採り上げた日立「P50-XR02」、パイオニア「KRP-600M」など、一層進んだハイコントラスト化技術をベースに、じっくりと画質を磨き上げ、液晶陣営を大きくリードする完成度を実現したように思える。

 そして、この両メーカーの製品と並んで、たいへん興味深い画質の進化を遂げたのが、プラズマ陣営の盟主ともいうべきパナソニックの「PZ800」シリーズである。では、その達成された高画質内容について見ていこう。

photo パナソニックの「TH-50PZ800」

 まず3万対1のスペックを実現したハイコントラスト化技術について。要素技術的にいうと、新たにパネル前面板の誘電体層に「ダイナミックブラックレイヤー」を構成することで発光効率を上げ、予備放電(種火)のレベルを従来の3分の1に低減したこと、それに加えて新しいリブ構造を採り、蛍光体を新しくすることで、黒の黒らしさを向上させ、昨年のPZ750を大きく上回るコントラスト表現を獲得したのである。

 さて、この黒の質感向上に基づくハイコントラスト化技術とともに、このシリーズで興味深いのは、新たに提案された「カラーリマスターシステム」と呼ばれるハリウッド仕込みの色彩表現技術。

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