8月の北京オリンピックを控え、2008年夏のレコーダーがほぼ出そろった。ここではBD/DVDレコーダーの利用シーンごとに製品選びのポイントを挙げ、各社のアプローチを紹介していこう。まだBD/DVDレコーダー選びで迷っている人、参考にしていただければ幸いだ。
まずは予約録画を基本にして録画、つまり「録る」という点に着目してみよう。
大前提として、現在のデジタル放送チューナー内蔵レコーダーでは、電子番組表(EPG)を備えていない製品はほとんど存在しない。また、電子番組表からの予約録画ではスポーツ番組などの影響で放送時間に変更があっても、放送局が放送波を通じて行う電子番組表のリアルタイム更新に自動追従して録画が実行される。つまり、予約録画における録画ミスは、ほとんどなくなったと思っていい。
アナログ放送世代の製品では、電子番組表の情報を元に「予測」することで、延長の可能性がある番組の後に放送される予約番組に対し、録画終了時間を延長することで対応していた。製品ごとにそのロジックは異なり、ゴールデンタイムに放送されるスポーツ中継(プロ野球、サッカー)だけを想定していた製品は、日中や深夜の番組の延長には対応できない場合もあった。つまりはメーカーごとに機能差があったわけだが、この点はデジタル放送世代ではほぼ解消されている。
では、デジタル放送世代のレコーダーにおいて、「録る」という点で他社との差別化になるのは何か。おそらく自動録画機能の充実度だろう。主要メーカーの製品は、多かれ少なかれ自動録画機能を備えているが、その内容は大きく3つに分けられる。
このうち、1は多くの製品が対応している。以前は自動録画に消極的だったパナソニックの「DIGA」シリーズもドラマとアニメ専用という形の「新番組おまかせ録画」を昨年の製品から実装。自動録画された番組は、再生した後に次回の番組情報を表示し、継続して録画するかどうかを尋ねてくる(これは2に相当する機能)。第一話を見てからシリーズ録画するかどうかを決めたい、あるいは第1話を録り逃してしまうと番組自体を見る気がなくなってしまう……という人にはこれだけでも重要だろう。
2.は、いわゆる“繰り返し予約の設定ミス”を防ぐ機能といえる。三菱電機の製品では、単発で予約録画した番組であっても、翌週にも類似した番組名の番組があると、予約録画が可能であれば自動で録画予約してくれる。まさに“自動予約忘れ対策”だ。
また東芝の「VARDIA」シリーズでは、録画番組の初回再生終了時に、次回の予約を促すという“半自動”といえそうな予約忘れ対策が施されている。さらにパナソニックのDIGAでは、電子番組表から録画予約する段階で「予約する」「毎週予約する」という選択肢を同列に提示してくれる。VARDIAとDIGAに関しては“自動”とまではいえないものの、予約忘れ対策も考えられている点が評価できる。
3は、一般的に“自動録画”として知られる機能。代表的なのは、東芝VARDIAと「x-おまかせ・まる録」を備えたソニー「BDZ」シリーズ。ソニーはキーワードによる番組検索のほかにジャンル指定による自動録画も可能であり、例えば“バラエティ番組は録るだけ録っておく”という人に向いている。また学習機能も備えており、自動録画した番組を再生したか、光学メディアにダビングしたかといったことで“重み付け”を行い、自動録画の番組選択に反映させる。見そうな番組はとにかく録画しておきたい、という人には「これしかない」といえそうな機能だ。
対して東芝VADIAの「おまかせ自動録画」は、“狙った番組をしっかり録画する”ための自動録画機能といえる。キーワード指定が必須となり、ジャンル指定だけでは自動録画できないが、通常予約と自動録画に4段階の優先順位を設定でき、自動録画を優先することも可能だ。例えば“バラエティ番組は毎週予約にしているが、特定のタレントが出演する番組があれば、そちらを優先したい”といったケースに最適。使いこなしは必要だが、ユーザーが明示的に優先度を選択できる点は魅力だ。
本編とCMの境目に自動チャプターを設定してくれる機能も「録る」機能として1つのポイント。とくに“余分なところを削って光学メディアに効率よくダビングしたい”、といった場合には重要な意味を持つ。
同様の機能は、ソニーが「おまかせチャプター」、東芝が「マジックチャプター」、三菱は「オートカットi」という形で実装しているが、ソニーと東芝がダブルチューナーモデル(2番組同時録画が可能な製品)でも片方しか利用できないのに対し、三菱電機製品では両方で機能する。この点で一歩抜き出た印象だ。
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