富士フイルムは9月24日、3Dデジタル映像システム「FUJIFILM FinePix Real 3D System」を開発、同システムを利用して、立体映像を裸眼で楽しめる「3Dデジタルカメラ」を2009年に製品化すると発表した。
この「3Dデジタルカメラ」はレンズと撮像素子を2つずつ搭載、微妙な角度差をつけて撮影した2つの映像を内部で合成し、特殊な背面ディスプレイに立体映像として見えるように映し出す。背面のディスプレイは左右の目に入る光をそれぞれ制御する機構を備えており、メガネなど特殊なデバイスなしに“見るだけ”で立体感を得ることができる。
立体視という特殊な処理を行うための映像処理プロセッサーとして「リアルフォトエンジン3D」が新開発された。このエンジンはシャッターを押すだけで2つの撮像素子から3D映像を得るための撮影条件を設定する「3Dオート」機能を備えており、3Dオートは静止画のみならず動画でも有効だ。
リアルフォトエンジン3Dでは条件の異なる2つの映像を撮影することも可能となっており、今回の試作機に実装はされていないが、レンズの画角や色調/露出など撮影パラメーターの異なる2枚を同時撮影したり、2つのレンズで撮影した映像をパノラマとして合成するといったこともできる。動画/静止画の同時撮影も可能だ。ちなみに、3Dデジタルカメラで記録された3D映像のファイルは独自形式となる。
同社では開発した3D映像を映し出すための液晶モニターも開発した。2.8型の小型タイプは3Dデジタルカメラに搭載し、8.4型の中型タイプはデジタルフォトフレーム用として用意する。また、凸レンズの役目を果たす特殊なシート(レンチキュラーシート)を一体化することで立体感を出すプリントサービス「3Dプリントシステム」も提供を検討するとしている。
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