僕はNTTコミュニケーションズの「ホットスポット」と、ワイヤレスゲート経由でソフトバンクテレコムの「BBモバイルポイント」とライブドアの「livedoor Wireless」の各公衆無線LANサービスに契約しており、必要に応じていずれかのサービスが使えるようにしている。
東京都内では地下鉄での移動が多いため、座席に座ってノートPCを開き、メールチェックをして1駅で返事を書いて送信、また1駅で返事を書いて送信、といった移動時間の使い方をしていて、けっこう重宝している。また、BBモバイルポイントは多くのマクドナルドで使え、場所によっては電源を用意している店舗もあるため、ちょっとした空き時間を活用するのに便利だ。
先日インタビューしたNokiaデザインセンターのヤン・チップチェイス氏にそんな話をすると、日本人の「マイクロ・コーディネーションには感服する」というコメントをもらった。つまり細切れの時間をいかに有効活用するかに長けていて、それは緻密に運行される交通機関と密集した都市がなせるワザだという分析である。
そんな公衆無線LANライフを送っていると、せっかくだからiPhoneでも無線LANをうまく乗りこなしたくなってくる。よりスピードの速いネット回線が使えるようになるし、無線LAN環境下でしか使えないiTunes Storeにアクセスでき、App Storeから10Mバイトを超える容量の大きなアプリをダウンロードすることも可能になる。電車の中づり広告や駅貼りポスターを見て「あの曲を聞こう!」とジャケ買いならぬポスター買いすることだってできてしまうわけだ。
ところが、日本の多くの公衆無線LANサービスは、ログイン手続きが必要だ。iPhone 3GやiPod touchの場合は、初めてアクセスポイントに接続するときにまずESS-IDを指定し、WEPキー(パスワード)を入力する。これは1度つながればiPhoneが記憶してくれるので問題はない。しかし、この後さらにインターネットに接続するために、Webブラウザを開き、専用の画面でユーザー名とパスワードを入力しなければならないのだ。このプロセスをiPhone上で行おうとすると、なかなか骨が折れるのである。僕みたいに長いユーザー名を選んでしまったら、なおさらだ。
そこで、このEasy Wi-Fiの出番となる。
察しのいい方はお気づきかもしれないが、このアプリは立ち上げて「Login」ボタンをタッチするだけで、あらかじめ設定しておいたログインIDとパスワードを送信してくれ、ブラウザ経由の認証が済んだ状態になる。価格は450円(一時期無料でダウンロードできたのだが、いつの間にかまたもとの価格に戻っていた)。
残念ながら英語版のアプリであるが、設定時に「HOTSPOT」や「mobilepoint」などの文字列を指定して検索すると、おなじみの公衆無線LANサービスがリストに出てくる。複数のサービスに契約していても、個別にユーザー名とパスワードを指定することが可能だ。
さらに「0033」(HOTSPOT)の電波をつかんでいるときでも「mobilepoint」をつかんでいるときでも、ただEasy Wi-FIを立ち上げて「Log In」ボタンを押すだけで、ESS-IDから必要なユーザー名とパスワードで認証を済ませてくれるから優れものだ。
パケット代を節約したいiPhoneユーザーや、iPod touchユーザー、そして何よりiPhoneのパワーを街中で最大限に生かしたいユーザーにとっては、ぜひ公衆無線LANサービスとともにEasy Wi-Fiを活用してみてほしい。
東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。
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