第9回 液体と物理と「森の精」に癒される──「AQUA FOREST」松村太郎のiPhone生活:ゲーム

» 2008年10月10日 23時00分 公開
[松村太郎,ITmedia]

 ハドソンというと、僕はファミコンの時代から「高橋名人」や「桃鉄」「ボンバーマン」など、遊び心あふれる人気タイトルを楽しんできた。そして彼らはiPod touchやiPhoneアプリにもかなり積極的に取り組んでいるゲーム会社の1つだ。

Photo 「AQUA FOREST」はFREEモードとPUZZLEモードがある

 そんなハドソンが、産学連携で作ったソフトウエアが「AQUA FOREST」である。ハドソンと連携したプロメテックソフトウエアは、東京大学発のベンチャー企業。プロメテックが開発した「粒子法」という新しい流体シミュレーション手法を再現する「OctaveEngine」を活用して、AQUA FORESTは誕生した。

 AQUA FORESTをまず楽しむなら、パズルモードから始めるといいだろう。例えば水を指定された場所に流し込んだり、砂を流して迷路をクリアしたり。画面の中に再現される水や砂などの物質は、すべて重力や蒸発などの自然現象に基づいて動く。そのため、水を注いだり、砂を流したりするには、iPhoneを傾ければよいのだ。

 9月27日に東京ミッドタウンでNPO法人MOSAが開催したイベント「第4回 DEMOsa」に登壇したハドソン執行役員 NC本部 本部長の柴田真人氏は、AQUA FORESTを「ゲームというよりは物理計算ソフト。モノの特性を表現する新しいソフトウエア」と紹介した。

 パズルモードで物理に“触る”世界観を体験したら、このアプリの気持ちよさを最大限に感じることができるフリーモードにトライしてみよう。フリーモードでは、OctaveEngineが作り出す物理の世界で、自分で自由に物質を配置して楽しめる。

 活用できる物質は水のほかに、粉、軽い水、炎。また水の吹き出し口、冷たい石、熱い石、回転する石などを設置することもできる。僕のお気に入りは水の吹き出し口と熱い石。水が噴き出し、それが蒸発するシステムを組み立てることが出来る。また、iPhoneの受話口あたりから水が噴き出す「水の流入」や画面の外に消えていく「流出」、画面内の物質量を一定にする、といった環境設定を行うことも可能だ。

 フリーモードは、ゴールやクリアがあるゲームではないが、自分の好きな自然現象を描いて、重力のかかり方をiPhoneを回して変えてみるといったことができる。「理科の実験室を手のひらに手に入れた感覚」とでも言うべきだろうか。この感覚がとても楽しく、またどこか癒される。というわけで、ここ数日、枕元にあるiPhoneのドックで充電し始めてから30分くらいいじるほどはまってしまっている。

 ハドソンの柴田氏は「ネットワーク対応やパフォーマンスの改善などのアップデートを考えている」という。自分が作った物理実験室を誰かに体験してもらったり、協力してシステムを組み立てていく可能性もあるかもしれない。

 自然というフィールド、科学的な現象に触れる面白さ、そして森と水のコンテクスト。興奮と癒しと面白さと、いろいろなモノが渾然一体となって押し寄せてくるこのアプリは、ぜひ体験してみてほしい1本だ。

PhotoPhotoPhoto パズルモードでは、1つ1つ指令をこなしていく形でAQUA FORESTの世界観を楽しめる。パズルをクリアしていくと、背景の木が育ったりする
PhotoPhotoPhoto フリーモードでは、画面内に配置する水や石、粉などの要素をアイコンから選んで自由に描ける。iPhoneやiPod touchを傾けると、重力の向きが変わって液体や粉が下側に流れていく。iPhoneを激しく動かせば、画面内で水が跳ね回る

プロフィール:松村太郎

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東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。


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