第4回 繊細な水平感覚を養う──「Labyrinth Lite Editioin」松村太郎のiPhone生活:ゲーム

» 2008年09月18日 15時30分 公開
[松村太郎,ITmedia]

 今回紹介するアプリは「Labyrinth Lite Edition」だ。App Storeから無料でダウンロードできる。Labyrinthとは迷宮の意味。紙と鉛筆で遊べる同名の2人用ゲームもあるが、このアプリは木箱のようなイメージの迷路の中で、パチンコ玉のようなボールを、壁や玉が落ちる穴などを避けながら、ゴールまで転がすゲームだ。Lite版の10ステージではもの足りなければ、多数のステージがダウンロードできる有料版「Labyrinth」も800円で用意されている。

 このアプリは、iPhoneiPod touchが持っている、傾きを検出するセンサー(加速度センサー)を活用する。ちょうど木箱の傾きがiPhoneの傾きに相当し、右に傾ければボールは右へ、奥へ傾ければボールは奥へと転がる。非常にシンプルなゲームである。このセンサーの特性はかなり繊細だ。少しでも傾いていればそれが検出され、ボールが転がる。そのため電車に乗っているときは、立ったままより座ってプレイした方が正確に転がせるだろう。

 iPhoneの加速度センサーを活用するゲームはいくつかあるが、難易度の高いものが多いように感じる。しかしLabyrinthはiPhoneの画面の外には玉が転がっていかないし、迷路を構成する木の仕切り板があるため、傾けすぎても壁や仕切り板に当たれば玉が止まってくれる。あまりイラつかずに加速度センサーの繊細さに慣れることができるはずだ。

 先日、オカダケンイチさん(http://kenichiokada.com/)にインタビューをする機会があった。イギリスのRoyal Callege of Artでインタラクティブアートを学び、多数の作品を作り出していて、手で触れる映像を作る装置など、ユニークな「触れるデジタル」の概念に基づいた作品制作には、大きな共感を寄せるところである。

 そんな彼は、イギリスから帰ってきて日本のケータイとしてすぐにiPhone 3Gを手に入れたそうだ。そして彼のホーム画面にも、このLabyrinth Lite Editionが入っていたので盛り上がった。僕はどうもApp Storeの調子が悪い時期で、アップグレードしていなかったのだが、現在の最新バージョンでは穴にボールを落としたときのバイブレーションと、玉が転がる音、仕切り板などに球が当たったときの音などの効果音が追加されていた(iPhone 2.1アップデートを入れてから、僕もバージョンアップしてみた)。

 デジタル機器の中でアナログなインタフェースとそれに呼応する音などの感触が、何ともたまらない。さらにオカダさんが目を輝かせたのは、このゲームの設定画面。バイブレーションやサウンド、時間制限のオン/オフのほかに、iPhoneの加速度センサーの値を水準器のように縦横の気泡で表してくれる機能があるのだ。

 これでiPhoneに対する「水平」という入力の感覚をつかむことが出来るようになる。インタラクティブ・アートを学ぶ前は建築学を勉強していたオカダさんにとってもなじみの深い道具の再現は、彼にとってデジタルとアナログの間を結ぶ「道具」としてiPhoneを位置づけてくれるのではないか。

 そんな話題でひとしきり盛り上がった後、10分ほど、このゲームに静かに熱中したのであった。

PhotoPhotoPhoto ディスプレイを木箱のように見立て、壁や穴などの障害物を避けてゴール地点まで玉を運ぶというシンプルなゲーム。Lite Editonには10のパターンが用意されている。設定画面を開くと、水準器のような画面で水平が確認できるほか、キャリブレーションも行える

プロフィール:松村太郎

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東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。


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