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» 2009年11月05日 11時00分 公開

レビュー:高画素と高速連写を両立したハイアマ向けEOS――キヤノン「EOS 7D」 (2/4)

[鈴木吾郎,ITmedia]

ボタン操作の詳細なカスタマイズ

 ボディ上部のモードダイヤルでは、初級向けの全自動モードとクリエイティブ全自動モードのほか、P(プログラムAE)、Tv(シャッター優先AE)、Av(絞り優先AE)、M(マニュアル露出)、B(バルブ)、およびカメラの設定状態を記憶する3つのC(カメラユーザー設定)モードを選択できる。シーンモードはない。

 各種機能の操作系は、EOS 50DやEOS 5D Mark IIなど従来の中級機を継承する。上部と背面に設けた2つの電子ダイヤルによって絞りやシャッター速度、露出補正などを調整でき、上部のボタンを併用することで、ホワイトバランスや感度、ドライブモードなどをそれぞれ素早く変更できる。

 操作に関して従来と大きく異なるのは、メインスイッチをボディの左上に移動したこと。さらに、シャッターボタンの横には「マルチファンクションボタン」を、背面には「クイック設定ボタン」と「ワンタッチRAW+JPEGボタン」、ライブビュー/動画用の「スタート・ストップボタン」をそれぞれ新装備する。

 マルチファンクションボタンには、FEロック/AEロック/ワンタッチRAW+JPEG/ファインダー内水準器表示のいずれかの機能を割り当てることができる。それ以外の主要なボタンやダイヤルについても、割り当て機能のカスタマイズが可能だ。じっくりと使い込み、自分にとって使いやすい割り当てを見つけるようにしたい。

 付加機能としては、シーンに応じて明るさとコントラストを最適化する「オートライティングオプティマイザ」や、ハイライト部の白とびを低減する「高輝度側・階調優先」、レンズ性能による画像四隅の光量不足を軽減する「レンズ周辺光量・自動補正」、発色傾向をカスタマイズする「ピクチャースタイル」などに対応する。

photophoto シャッターボタンの横に「M-Fn(マルチファンクション)ボタン」を新設。写真は、高倍率ズーム「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」を装着した状態(写真=左)、「オートライティングオプティマイザ」は効果を4段階から選べる。RAW記録の場合は、付属の現像ソフト上で設定できる(写真=右)
photophoto 記録メディアはCFカード。バッテリはEOS 5D Mark IIと共通のリチウムイオン充電池で、残量のパーセンテージ表示や劣化度の確認に対応。CIPA準拠のバッテリ寿命は約800枚(写真=左)、登録データに基づいてレンズの周辺減光を補う「レンズ周辺光量・自動補正」機能。こちらもRAW現像時に設定することも可能だ(写真=右)、

1800万画素の高画素CMOSを採用

 撮像素子はAPS-Cサイズ(22.3×14.9ミリ)の有効1800万画素CMOSで、処理エンジンには「デュアル DIGIC 4」を搭載する。画質は、A3プリントにも適した精細感があり、画像のトリミングにも有利だ。きっちりと補正が働くオートホワイトバランスや、濁りのない色合いにも好印象を受ける。

 ISO感度は、標準でISO100〜6400の間を1/3ステップで選択でき、感度拡張によって最高ISO12800まで利用できる。ISO800を超えるあたりから画像全体にざらつきを生じるが、高画素なのでノイズの粒は小さく、ISO800や1600でも十分に実用的な画質を得られる。解像感や発色性をあまり損なわずにノイズを抑える、カメラ内のノイズリダクション技術は優秀といえる。気になったのは、感度をオートに設定すると光量が乏しいシーンでは自動的にISO3200までアップすること。上限値をユーザー設定できるように改善してほしい。

 ちなみに、従来の中級機EOS 50Dの1510万画素から約1.2倍の画素数アップを図ったことは、同社のコンパクト機「PowerShot G11」が従来機よりも画素数を減らすことで高感度ノイズを低減したこととは対照的である。コンパクト機の小さな撮像素子とは異なり、APS-Cサイズの撮像素子では、1800万画素化しても高感度性能を維持できる、という判断なのだろう。

 1800万画素の高画素データをてきぱきと撮影できることがEOS 7Dの大きな魅力だ。APS-Cサイズのカメラとしてはやや大柄のボディだが、明確な撮影目的を持ってカメラを持ち出す用途なら、このボディの大きさと重さはさほど苦にならないはず。最初にも述べたが、レンズも含めたトータルのシステムではフルサイズ機に比べて、重量や価格面の負担は小さい。風景やポートレート、スポーツ、ネイチャーなどのあらゆるシーンでオールマイティに活躍するカメラといえる。

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