東芝では、こうしたLED採用のREGZAラインアップを強化し、大画面モデルからパーソナルサイズまで、全サイズに対して2010年より順次対応モデルを投入していく計画だ。またLEDの低消費電力にも触れ、「エコポイントの基準が厳しくなるなか、2009年比で消費電力30%削減を実現する。これを差別化ポイントとしてアピールしていく」。
トピックの最後は、先ほども登場した「CELL REGZA」戦略の強化だ。12月10日に発売されたCELL REGZAは、実売価格が100万円と非常に高価な設定ながら、発売初日の受注だけで100台以上、同月の販売目標台数の1000台を大きく上回る、トータル売上において大きなヒット商品となった。これだけお金に糸目をつけないユーザーがいまだ国内に多く存在することに驚くとともに、東芝にとっては「いい製品を出せば高くても売れる」という自信をつけるきっかけにもなったようだ。
国内に投入された最初のCELL REGZAは、55V型の「55X1」だが、2010年秋以降はスクリーンサイズをさらに拡大し、日米欧の3地域に順次投入していく。具体的には北米モデルが55V/65V型、欧州モデルが46V/55V型のそれぞれ2モデル、日本国内には46V/55V/65V型の3タイプをそれぞれ用意し、ラインアップを拡充する。大角氏は、「本来はメーカーとしては厳しい選択かもしれないが、当初の高級モデルというCELL REGZAのコンセプトを若干変更して、幅広いモデルへとCELLを展開していく。やはり100万円という価格ではなかなか普及が難しい。サイズの縮小や機能の選別などを経て、より訴求できる価格帯に落とし込んでいきたい」と説明する。
高級機として投入されたCELL REGZAの技術を普及品まで広げていくのが同社の差別化戦略となるが、これについて「企業使命としての低価格化」と述べている。このほか大角氏は、記者発表会の中でさらに将来に向けたテレビ戦略にも触れている。
例えば4K2K対応については、2010年内の商品化はコスト的に厳しいものの、パネルメーカーとの協議を進めて2011年以降の商品化を目指していきたいと意欲を語った。
一方の3Dテレビについては、3D化にまい進する業界のトレンドに対し「CELLとメガLEDパネルを組み合わせた“プロセッサ+パネル”戦略で差別化する」とコメント。これは、REGZA製品でも比較的ハイエンドなモデルでの3D展開を意味するが、あくまでCELLというユニークな点を訴求ポイントにする東芝の戦略のようだ。BDで出遅れることになる東芝にとって、3D化は1つのネックとなる可能性もあるが、大角氏は「半年ほど遅れることになるが、夏の時点ではまだ3D対応ソフトは充実していないだろう。それまでに『東芝(の製品)が出るまで待って良かった』と言われるような製品作りをしていきたい」と話している。
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