ソニーから光学10倍ズームレンズを搭載し、フルHD動画の撮影にも対応した“サイバーショット”「DSC-HX5V」が登場した。GPSを内蔵するなど、新たな機能が満載の新サイバーショットをチェックしてみた。
DSC-HX5Vは沈胴式のズームレンズを搭載しながらも、本体サイズは102.9(幅)×57.7(高さ)×24.6(奥行き)ミリ、約170とグラム小型軽量。外観はいたって普通のコンパクトデジカメといった風情だ。
サイバーショットのHシリーズは高倍率ズーム機として位置づけられており、DSC-HX5Vも光学10倍ズームレンズを搭載している。これだけコンパクトなスタイルながら、35ミリ換算で25〜250ミリという画角をカバーし、広角から望遠までをこれ1台で対応できる。
レンズは、ソニーの高級レンズ「Gレンズ」ブランドで、非球面レンズ4枚を含む7群10枚構成のレンズは、特に中心部でシャープかつ解像感の高い描写をする。ワイド端で約5センチ、テレ端で約100センチまで近寄れ、それなりに背景のボケ味も表現できる。光学式手ブレ補正も内蔵しており、しっかりと構えればテレ端で1/15秒ぐらいまでならブレを押さえられそうだ。
撮像素子は、裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載。Exmor Rは、高感度撮影時のノイズを低減してくれ、コンパクトデジカメながら実用的な高感度撮影が可能だ。基本的にはExmor R搭載の第1号機「DSC-WX1」(レビュー)などと同じセンサーのようで、低感度時の画質も含めて描写は同等だ。
Exmor Rや画像処理エンジンBIONZにメカニカルシャッターを組み合わせたことで、秒間10コマ/10枚までという高速連写も従来通り対応する。撮影後はやや記録時間が必要になるが、ここまでの連写はデジタル一眼レフカメラでもめったにないので重宝する。
この連写性能を生かし、カメラを縦横に振るだけでパノラマ画像が撮影できる「スイングパノラマ」にも対応している。最大で270度という広大な画像が、カメラを無造作に振るだけで撮影できてしまうのは便利だ。
DSC-HX5Vでは、新たにスイングパノラマ撮影時の「顔」と「動き」の検出に対応した。動きのある人やものの動きを検知し、その部分を調整して撮影することで、被写体が動いていてもつなぎ目が不自然にならないようなパノラマが撮影できるようになった。
そのほか、十字キーの設定項目やメニュー画面のインタフェースなどは、DSC-WX1とほぼ同様と考えていい。モードダイヤルにはおまかせオート撮影モードやスイングパノラマ、動画、シーンモードなどに加え、M(マニュアル)モードも搭載。撮影時に十字キー中央を押すとシャッタースピードと絞りを設定できる。とはいえ、絞り値はNDフィルタを使って設定するため、ワイド端でF3.5とF8.0の2段階しか選択できない。シャッタースピードを遅くして水の流れなどを表現したいときなどに使うといいだろう。
十字キーの割り当ては上から時計回りにディスプレイ、フラッシュ、セルフタイマー、スマイルシャッター。十字キー左下にMENU、右下に削除、左上に再生というボタン配置で、これもDSC-WX1と同じ。ディスプレイボタンを押すと画像表示が標準・明るい・明るい+画像データ・明るい+情報表示なしの4段階というのも従来通り。正直、この4種類を選ぶのにボタンを1つ消費するのはもったいないと思う。露出補正をあたりを割り当てて欲しかったところだ。
MENUボタンを押すと液晶画面の縦方向に設定項目が並ぶので、そこから十字キーで選択する。露出補正、ISO感度、ホワイトバランスなどが設定でき、それ以上の詳細な設定は末尾に表示されるメニューアイコンから行う。マニュアル露出に中央ボタンが利用されているので難しいが、個人的には中央ボタンで設定項目、MENUボタンでメニュー画面という方が使いやすいと感じた。連写ボタンが独立して用意されているのに、設定項目の2番目に連写切り替えが表示されるのも疑問。このあたりのインタフェースは一考の余地があるだろう。
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