三菱電機は2月16日、次世代ハイビジョンテレビとして注目される“4K2Kテレビ”に現在のフルハイビジョン映像を鮮明に表示する超解像技術を発表した。
4K2Kは、4000×2000(1K=1000)ピクセル以上の解像度のこと(現在のフルHDの4倍となる4098×2160ピクセルを“4K2K”と称する場合もある→「4K2K」――フルHDの次)。NHKが「スーパーハイビジョン」の名称を用いて研究開発を進めるなど、次世代のハイビジョンテレビとして検討されている。「しかし、4K2Kテレビが普及してもフルHD映像を鑑賞する機会が残ると予想される」(三菱電機)。
4K2KテレビにフルHD映像を表示する場合、垂直方向に約2倍、水平方向に約2倍、映像全体では約4倍の画素数に拡大する必要がある。しかし、画素を単純に拡大するだけでは、不鮮明なぼやけた映像となり、4K2Kテレビ本来の表現能力を発揮できない。
三菱の超解像技術は、独自アルゴリズムによる多重解像度解析技術を用い、映像を拡大した際の細かさ(高周波成分)を推定。拡大画像に合成して出力するというものだ。まず、入力された画像から拡大画像および縮小画像を作成し、それぞれから高周波成分を抽出する。その後、縮小画像と元映像、元映像と拡大画像の間には、同じ相関が存在すると仮定して、拡大映像にあるべき高周波成分を推定する(相関解析)。最後に推定した高周波成分を拡大画像に合成して出力することで、精細な4K2K表示を得ることができる。
また三菱電機によると、「開発した超解像アルゴリズムは、1フレームのフルHD映像とその縮小映像から高周波成分を推定するため、大容量のフレームメモリを必要とせず、演算量も少ない。安価なハードウエアでリアルタイム処理が実現できる」という。同社では今後、4K2Kテレビの民生市場登場に合わせて同技術を搭載した製品を投入する方針だ。
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