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“LED REGZA”の進化を探る Z1シリーズ詳報(1/4 ページ)

» 2010年04月14日 18時18分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は4月14日、LEDバックライトを搭載した液晶テレビ“LED REGZA”を発表した。3シリーズ15機種、カラーバリエーションを含めると計26モデルという大きなモデルチェンジだ(→関連記事)。

 LEDバックライトの採用により、「画質、省エネ、デザインが大きく進化した」(同社映像マーケティング事業部グローバルマーケティング部TV担当の本村裕史参事)というLED REGZA。中でも注目の上位モデル“Z1シリーズ”を中心に、同社担当者のコメントを交えて詳しく紹介していこう。

photophoto 55V型のZ1。37V型、42V型、47V型、55V型の4サイズをラインアップしている

“当たり前のこと”ができた

 一目で分かるのが、まずパネル部分の薄さだ。東芝では、初代REGZAから継続して「Minimal Design」(ミニマルデザイン)と呼ばれるコンセプトに基づいてデザインしてきたが、LEDエッジライトの採用に伴い、今回から「Slim Minimal Design」(スリムミニマルデザイン)に変わった。

 東芝デザインセンター・デジタルプロダクツデザイン担当の佐川崇参事によると、今回の新製品では上位機にあたる「CELL REGZA」のテイストを積極的に取り込んだという。例えば、フレーム部はアルミのヘアライン調仕上げ。本物の金属ではないが、CELL REGZAと同様に素材感を重視した。また、スタンド部は“V字”型の「ブーメラン」から“X字”型の「ダブルブーメラン」に変更。「安全性を高めつつ、スタイリッシュなスタンドになった」(佐川氏)。そして前面には、十分な開口を持たせたスピーカーを配置している。

photophoto 上や横から見ると薄さが分かる
photophoto 前面にスピーカーを配置

 本村参事は、「従来のREGZAは、グローバルな狭額化のトレンドに追従する形で“インビジブルスピーカー”(見えないスピーカー)を採用してきた。スピーカーを前に向けるという、“当たり前のこと”ができていなかった」と振り返る。しかし今回は、国内専用のキャビネットとすることで、全機種のスピーカーを前向きに配置することが可能になったという。

 さらに47V型と55V型では、新開発のソフトドームツィーターとウーファーを用いた2Wayシステムとして、それぞれ独立したアンプで駆動するマルチアンプシステムを採用。また、スタジオモニターにも使われるリンクウィッツ・ライリー型フィルターを適用するなど、CELL REGZAほどぜいたくではないものの、同様のピュアオーディオ的アプローチで音質向上を目指した。これを手がけたのは、CELL REGZAと同じ東芝デジタルメディアエンジニアリングの桑原光孝氏だ。

photophoto 新しいスピーカーユニットと外観
photo 東芝デジタルメディアエンジニアリングの桑原光孝氏

 それぞれのユニットは新開発。ネオジウムマグネット搭載の20ミリソフトドームツィーターで高域のレスポンスを改善し、ウーファーは“巻き線”にCCAW(カッパークラッドアルミワイヤー)を採用して振動系レスポンスを向上させている。「ボイスコイルに銅を使うと重くなってレスポンスが悪くなるため、新型ユニットでは銅をコーティングしたアルミ線(CCAW)を使用した」という。一方の42V型と37V型はフルレンジユニットを採用しているが、巻き線にCCAWを使っている点は同じだ。

 Z1シリーズには、Real Sound Lab,SIAのパワーイコライジング技術「CONEQ」(コネック)を搭載。スピーカーから出る音のパワーを測定・演算し、周波数特性をフラットにすることで自然な音場と明瞭(めいりょう)な音を再現するという。「CELL REGZAに匹敵する、とまでは言えないが、従来のREGZAを凌駕(りょうが)する音に仕上がっている」と桑原氏は胸を張った。

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