機能面では、同社として初めてBlu-ray DiscのDolby True HDデコードに対応したほか、FM/AMチューナーを内蔵し、専用のiPodドック(標準添付)を備えるなど、多彩なメディアをカバーする。ビデオアップスケーラーはV30から継承したもので、アナログ入力信号も1080Pまでアップスケールが可能だ。
HDMI入力は、前面の1系統を含めて4系統を装備しているが、バージョンでいうと1.3世代のため、Blu-ray 3D再生時のパススルーには対応していない。そのほかの映像入力は、コンポーネント2端子を含む3系統で、HDMIを合わせると7系統と十分な数を確保した。一方の音声入力は、光デジタルと同軸デジタルを3系統ずつ、およびアナログ4系統。フロントとリアの両方にUSB端子を備え、USBメモリなどを接続してJPEGの再生が行えるほか、ファームウェアアップデートにも利用するという。
新しいLifestyleシリーズは、スピーカーの設置や初期設定を含む使い勝手の向上に力を入れている。例えば「ADAPTiQ」(アダプトアイキュー)は、部屋の音響特性を測定して音場を自動調整する機能だ。ヘッドセット型のマイクを頭に付け、室内の5カ所で測定を行うと、データを平均化して部屋のどこにいても良い音が聴けるようになる。
新機能としては、各種の設定を対話形式でナビゲートする「Unify(ユニファイ)テクノロジー」が挙げられる。ソース機器の接続や、ユニバーサルリモコンへのリモコンコード設定といった作業が、すべてテレビ画面の指示に沿って進めるだけで済む。外部機器の接続では分かりやすい図が表示されるため、初心者であっても迷わずに作業を進めることができるはずだ。
そのユニバーサルリモコンは、日本向け製品では初となる電波式を採用した。上部に表示部を備え、使用中の入力端子(ソース機器)やiPodで再生している曲名などを確認できる。曲名の表示は日本語も可能だ。また、ライトも内蔵しているため、暗い室内でも問題ない。
Lifestyleシリーズは、そのサイズからは想像しにくいほどパワフルで広がりのある音を聴かせてくれた。機能面では、少々“今さら感”を受けるDolby TrueHDへの対応や、なぜか今回も見送られたDTS-HD Master Audioなど、国内メーカーを基準に考えると少しズレた印象も受ける。ただし、もともとボーズという会社は、流行に流されることをきらい、スペック競争には付き合わず(アンプ出力は未公開)、独自の音響技術を育ててきたメーカー。逆にいえば、TrueHDのサポートでようやくBlu-ray Discもボーズに認められたと言えるのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR