ITmedia NEWS >

iPadの使い道(後編)本田雅一のTV Style

» 2010年07月05日 17時11分 公開
[本田雅一,ITmedia]
photo 「iPad」

 先週、仕事で香港を訪れてみると、携帯電話を扱うショップには「iPad」が山積みになっていた。3G版はすべてSIMフリーだが、そんなことよりも驚いたのは値段。正規の値段よりも5000〜8000円ほど高いのだが、それでも売り切れになることも少なくないそうだ。それは余談として、最後にわが家でのiPadの使い方についてお伝えしたい。

 わが家の場合、iPadはリビングルームにおいて、快適にインターネットの情報にアクセスする情報ビューワーであり、あまり外出先に持ち出すことはない。職業柄、PCが手放せないからというのもあるが、iPadの出先でのアプリケーションは、たいていはAndroid端末やiPhoneでもカバーできるので、大きくて重いiPadを持っていく必要性をあまり感じてないからだ(あくまでも“私の場合”)。

 中でもAV的使い方について書いておこう。

 私は実のところ何年も前から“海外ドラマファン”だが、なかなか毎週は見る事ができない。そんなときは録画で見ているのだけど、今度は見る時間がない。そこで致し方なく、買いだめてある米国版のプリペイドカードを用いて番組(残念ながら英語版)を購入している。

 あるいは、どうしても続きシーズンの第1話だけ見たいという場合は、ビデオ・オン・デマンドサービスで提供されている各テレビ局の映像配信サービスを利用して、前シーズンからの謎がどうなるかをチェックしてみたり(ただし米国内の代理サーバが必要なので、誰でも簡単にできるわけではないが)。こんな時にiPadのサイズはとても便利。特に「iTunes Movie Store」の日本版は、是非とも早いタイミングで始めてほしいものだ。

 と、ここで1つ朗報がある。実は日本向けのiTunes用デジタルコピー認証サービスが開始されるとのこと。すでにハリウッド系映画会社が日本語版のデジタルコピーを開始する準備を進めている。この秋ぐらいから、Blu-ray DiscやDVDを購入したユーザー向けに、iPadやiPhoneでも映像コピーを楽しめるサービスが提供されることになるようだ。すでに米国では映像ソフトをデジタルコピーでPCや携帯機器にコピーして見せる機能は定着しており、新作の多くで利用できる。

 デジタルコピーはiTunesやWindows IDなどに特定コンテンツの利用許可ライセンスをひも付けるもので、同梱(どうこん)されるコードを入力することで付属DVD(あるいはネットワークダウンロード)から映像ファイルをコピーして利用可能にするもの。PC上で再生できるほか、それらを携帯型メディアプレーヤーでも楽しめる。

 個人的には海外版の映画ソフトに付属していたファイルはコピーしていたが、日本語版も対応というのは素直にうれしい。秋以降に対応タイトルが増えることを祈ろう。

 さて、なかなか結論にたどり着かないが、筆者宅でiPadを使う機会が多いのはリモートコントロールの用途だ。クレストロンなどのホームオートメーションネットワークを利用している方は少ないだろうが、もっと手軽にDLNAのコントローラーとして利用する使い方はあると思う。

 リモートコントロールといえば、ネット経由でiTunesを操作するアップル純正の「Remote」というアプリケーションが広く知られているが、DLNA対応ではiPhoneの頃から「Plug Player」「SongBook DS」などを利用してきた。これらは音楽再生専用だが、ビデオ再生が行える「NAS ViP」や「Media Connect for DLNA」「iMedia Suite」などもある。Media Suiteは写真の共有も可能だ。

photo アップルの「Remote」は無料

 さらに現在、iPhone版とiPad版がある「ChorusDS」(iPad版はChorusDS HD)というソフトに注目しているところだ。このソフトはコントローラーやプレーヤーとして機能するだけでなく、DLNAのメディアサーバとしても動く。つまり、iPad内に収められた写真や映像を、DLNAのメデイアレンダラー機能に対応したテレビで表示させるということも仕組みとしては可能になるわけだ。

photo 「ChorusDS」のiPad版「ChorusDS HD」は4800円で販売中

 また、iPadの方が画面サイズが大きい分、操作がしやすくメディアファイルの一覧性が高いという利点もあるが、液晶パネルの美しさゆえに写真ビューワーとしての実力も高い。今年は各社製テレビのDLNA対応も進んできているので、iPadを絡めた上手な使い方が、これからもどんどん提案されるのではないだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.