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» 2010年08月20日 12時38分 公開

カールツァイスのメガネ型3Dディスプレイ「シネマイザー・プラス」を試す (2/2)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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 もう1つ注目したいのは、普段メガネをしている人でも“メガネ on メガネ”にしなくて済むことだ。シネマイザー・プラスは視度調節ボタンを備えており、左右のダイヤルを回して調節すると、近視の人でも焦点が合う。筆者も両目とも0.1を下回る近視なのだが、シネマイザー・プラスの視度調節ダイヤルで調整したところ、クリアな映像を楽しめた。

photophoto インタフェースユニットの操作部。ボタンを兼ねたダイヤルは、回すとボリューム調整、押し込むと2D/3Dモードの変更となる(左)。視度調節ダイヤルで調整中。実際は画面を見ながら行う(右)

 通常の2D映像も視聴してみる。インタフェースユニットのボタンで2Dモードに変更し、WOWOW録画の映画や海外ドラマを再生したところ、けっこう使える印象だ。解像度が足りないのは仕方ないが、映画の字幕を読むには問題ないレベル。画面が明るく、暗いシーンでは黒浮きも目立ったものの、この手のデバイスでは画質よりも見やすさ重視でいい。また、メガネのつる部分に設けられたステレオスピーカーもなかなか迫力のある音を聞かせてくれた。ちょっと動作確認するだけのつもりが、いつの間にかソファーに寝転がって本気で見ていた。こんな気楽な使い方が、シネマイザー・プラスには似合いそうだ。

photophotophoto つるの部分には可動式のスピーカーが付いている。耳の位置に合わせて上下左右(伸縮)に調節できるのは親切だ

 なお、シネマイザー・プラスは、2D映像を疑似的に3D化する機能は備えていない。試しに2D映像視聴時に「3Dモード」へ変更してみたところ、中央で分割された映像の左側が横幅を延ばして左目用のパネルに、右側は右目用のパネルにだけ表示された。要するに、サイド・バイ・サイド視聴時の処理を強制的に行うだけだった。

 課題は、サイド・バイ・サイドのコンテンツを入手する方法だが、ネットで検索してみると、意外と多く存在することが分かった。カール・ツァイスが提供している3D動画のサンプルはもちろん、動画共有サイトやiTunesで「side by side」「3d」などで検索すると、かなりの数がリストアップされる。映画のトレーラーから個人制作のコンテンツまで内容は幅広く、質もさまざまだが、面白そうなコンテンツを探してみるのも楽しい。iPod/iPhoneで直接ストリーミング再生を行うこともできるし、大きめのファイルはPCでダウンロードしてiTunesで転送してもいい。

 シネマイザー・プラスで見る3D映像は、3Dテレビで見るBlu-ray 3Dに比べれば解像度の面で劣る。したがって、立体感で映像にリアリティーを加えるといった純粋にAV的な期待には応えられないだろう。しかし、立体視の楽しさは十分に味わえるうえ、パーソナルな動画閲覧デバイスとしても活用できる。3D対応のデジカメやビデオカメラも登場してきたことを考えると、今後もネット上の3Dコンテンツは増えていくはず。中でも、もっとも手軽に作成できるサイド・バイ・サイド方式の重要性は高まると予想できる。そうした映像を気楽に楽しめるシネマイザー・プラスは、iPod/iPhone周辺機器として、また3D閲覧用のガジェットとして、面白い存在になりそうだ。

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