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ナナオ、23型フルHD対応の裸眼3D液晶モニターを開発指向性光源方式

» 2010年11月30日 15時49分 公開
[ITmedia]

 ナナオは11月30日、裸眼3D液晶モニター「DuraVision FDF2301-3D」を2011年度上半期に発売すると発表した。用途は産業市場向けとしている。価格はオープン。

photo 「DuraVision FDF2301-3D」

 画面サイズは23.0型で、フルHDの高精細表示が可能。同社は、卓上型の裸眼3D液晶モニターとしてこの画面サイズでフルHD対応は世界初としている。

 独自開発の「Directional Backlight(指向性光源)」方式により高精細表示を可能にした。これは右目用と左目用に異なる画像(視差画像)を表示する際、同じ画素から時間差を用いて表示する方式だ。従来の裸眼3Dモニターでは、液晶パネルの特定領域を右目用と左目用に割り当てて視差画像を表示していたが、この方法では左右の目に届けられる画像の解像度は半分に落ちる。これに対して同社の方式は、液晶パネルの持つフルHDの高解像度をそのまま両目に届けられるメリットがある。

 また、視差画像の放射方向をLED液晶モニターの光源で決定するため、一般的な裸眼3D方式で生じるバリアや、レンズを用いることによるモワレや縞目が発生しない。また一定の角度で表示画像が反転して見える「逆視」も発生しないという。

 想定される市場は、SEM(走査電子顕微鏡)や半導体検査装置への搭載、各種学術機関などとしている。本製品の開発は、独立行政法人科学技術振興機構の公募事業において、平成21年度採択課題「リアルタイムステレオSEMの開発」の一環として行われた。

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