iPodなどの携帯音楽プレーヤーのおかげもあって、カナル型を中心とする高級ヘッドフォンが確固たる市民権を持つようになった。このようなシチュエーションは、音楽好き、というかAV全般が大好物な人にはうれしいかぎりだ。
なぜなら、市場が盛り上がっているおかけで多くのメーカーから豊富なラインアップが展開され、馴染みのない海外ブランドや、はてはカスタムメイドのモニターイヤフォンまでもが比較的容易に入手できるようになってきたからだ。さらにいえば、いまや音の好みだけでなくカラーバリエーションやデザインの好みも気にして製品を選ぶことすらできる。まさに音楽好き、ヘッドフォン好きにとっては天国ともいえる状況になった。
そう思っているのは筆者だけではないようで、近頃は使用する環境によって複数の製品を使い分けている人の話を耳にする。室内ではオーバーイヤーのヘッドフォン、電車ではカナル型、職場ではコンパクトタイプのヘッドフォンという具合に、それぞれのシチュエーションにあわせて異なるタイプのヘッドフォンを利用しているというのだ。
実際のところ、スピーカーと違ってヘッドフォンはいくつあってもジャマにならない。タイプや音色の異なる複数の製品を所有して、シチュエーションや気分によって使い分けるのもこれまた楽しい。とくに、今のように、さまざまな製品が世の中にあふれていると、1つに絞りきれず、2つ3つと所有したくなる気持ちもよく分かる。
そして、それはいまや良い意味での汎用性の高さにもつながっている。自分がいくつあっても邪魔にならないと思うように、まわりの人に贈るプレゼントとしても、より喜ばれやすい製品となっている。もちろん贈って喜ぶのはMDPを普段から使っている人に限られるが、当然のごとく音の良いヘッドフォンをプレゼントされて嫌がる人はいない。先日筆者もiPodを使い始めた甥や姪にイヤフォンをプレゼントしたが、彼らは目を輝かせて喜んでくれた。逆にいえば、世代を超えてこれほど幅広い層に喜ばれる製品はほとんどないだろう。
そのような自分の楽しみや親しい人へのプレゼントにピッタリのカナル型イヤフォンを、数ある新製品の中からピックアップ。それぞれ詳しく紹介していこう。
なお、今回の試聴には、リファレンスとしてアルティメットイヤーズの高級機「TripleFi 10」を使用した。こちらは発売されてからしばらく経過しているモデル(2007年日本国内販売開始)だが、フラット&ワイドな帯域特性やダイナミックでリアリティーの高い音色、ひずみなく整った帯域バランスなど、いまでも多くの人から人気を集めている。こちらをフルマーク(音色傾向に関してはちょうど中間)と考え、各モデルを相対的に評価していく。
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