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「iPad 2」の音は裏技で生まれ変わる!?野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)

» 2011年06月14日 15時10分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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USB DACを使ってiPad 2を楽しむ

 しかし、何を隠そうiPad 2には音を良くする裏技がある。他のiPodやiPhoneでは実現できない、USB DACをオーディオデバイスとして活用できるのだ。

 ただし、この活用方法にはいくつかの注意点がある。まずアップルが正式にサポートしていないため動作しなくても致し方ないこと、そして別売の「iPad Camera Connection Kit」やUSBケーブルなど、いくつかのアクセサリーが必要になることだ。

「iPad Camera Connection Kit」に含まれるカメラコネクタを使って「Fiio E7」を接続したところ

 またiPad 2は、USB接続デバイスに対して電源の供給量をシビアにチェックしており、ほとんどのUSB DACがこれをクリアできず動作しないという実情がある。こちらは間に電源供給されるUSBハブを挟むとかなり可能性が高まるが、それでも専用ドライバーが必要な製品は活用できないので注意が必要だ。

 実際、今回は手元にあるいくつかのUSB DAC(Fiio E7、ibasso D2+Hj BOA、ibasso D12Hj、HRT Music StreamerIIの4製品)で動作確認をしてみたが、USBハブ経由ではすべてが正常に動作したものの、直接接続で動作したのは「Fiio E7」と「ibasso D2+Hj BOA」のみだった。しかも安定して動作したのはFiio E7のみで、ibasso D2+Hj BOAは何度か繋ぎ直さないと動作しない場合もあった。

「ibasso D2+Hj BOA」と「HRT Music StreamerII」

 さて、そのサウンドはというと、これまでとは別次元の高音質。ダイレクト感、音のキレとも申し分なく、表現もきめ細やかだ。ピアノは余韻が伸びやかに響き、ドラムのスネアはタイトかつダイレクト感の高い音を聴かせてくれる。iPodの音とはまったく思えない。PCオーディオそのものといっていいクオリティーレベルとなった。

 ぶら下がる機材が多くポータブル性に欠けるのが難点だが、iPodファミリーで唯一、PCオーディオクラスのサウンドが実現できるのは大きなメリットといえるだろう。ひと工夫すれば(そして接続機器の煩雑さを我慢できれば)、機能面だけでなく音質面でも大いに魅力的な製品だといえる。しばらくは、Fiio E7とセットで活用することになりそうだ。

音質評価 (通常のヘッドフォン出力)
解像度感 (粗い○−−−−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−○−−−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−○−−フラット)
音色傾向 (迫力重視○−−−−質感重視)

音質評価 (Fiio E7接続時)
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−○−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)

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