10月29日、東京・青山の「スタジアムプレイス青山」でフジヤエービック主催の恒例「秋のヘッドフォン祭り2011」が開催された。さまざまなブランドのヘッドフォン/イヤフォン新製品を集め、一般ユーザーが試聴できる貴重な機会。土曜日だけの開催ということもあり、会場には朝から熱心なファンがつめかけた。
今年は東日本大震災や国際的な金融危機、タイの洪水などさまざまな要因で新製品リリースが遅れたためか、今回のヘッドフォン祭りが“お披露目の場”になったケースが多いようだ。国内未発表のイヤフォン/ヘッドフォン新製品が各所で展示されていた。
例えばゼンハイザーは、秋に発売する「HD200/400シリーズ」などの新製品と合わせ、未発表の「IE60」「IE80」を初公開。名称から想像できるように、現行のインイヤーモニター「IE6/IE8」の後継機となる。
まだ「サンプルを入手したばかり」ということで情報は少なかったが、いずれも現行モデルと同じダイナミック型ドライバーを搭載し、素材と構造の変更により音質を向上させているという。IE80にはアルミ削りだしハウジングを採用するなど高級感をプラス。「オーバーヘッド型に近い音場の広がりを感じる音になっている」(同社)。またインイヤーモニターのエントリーに位置づけられるIE60は、「上位機のIE8に近い広がりのある音に変わった」という。発売時期や価格は未定だ。
シネックスは、新製品の「Westone 4R」などとともに、iPod周辺機器メーカーのScosche Industriesの製品を参考展示。このうち、インイヤー型とオーバーヘッド型の上位モデル2機種を国内でも販売する予定だ。
インイヤー型の「IEM856m」は、中高音を担当するバランスド・アーマチュア型ドライバーと低域用のダイナミックドライバーを組み合わせたデュアルドライバータイプ。絡みにくい扁平コードやiPhone/iPodリモコンも備えている。一方、オーバーヘッド型の「REALM(レルム)RH1056M」は、4センチ径の大型ドライバーを採用。マイクも内蔵しており、ハンズフリー通話やボイスコマンド、音声メモといった機能を持つ。専用アプリ「tuneQ」を用意するなど、iPod周辺機器メーカーらしい連携機能を備えた。ターゲットプライスはどちらも2万円台半ばと話している。
一方、先日発売した高級インイヤー型「K3003」が好調のAKGは、オーバーイヤー型のリファレンスクラス「K550」を初公開。 K550は、マイラー素材の振動板とアルミボイスコイルを採用した50ミリ大口径ドライバーを搭載した密閉型。振動板の振幅時に発生する背圧を最適化するベンチレーション・システムや、バスレフの役割を持つバスポート搭載の内部ハウジングなど、大きなドライバーを安定して動かす工夫が盛り込まれた。「大口径ならではの迫力と正確かつ精細な情報量の共存。躍動感のあるワイドレンジ再生を可能にした」(同社)。価格はオープンプライスで、近日中に発売する予定だという。
MONSTERからは、モダン・ジャズの帝王・Miles Davisのシグネチャーモデル第2弾「Miles Davis Trumpet」(トランペット)がお目見え。前作「Miles Davis Tribute」にはトランペットケースを模した特製ケースが付属していたが(Special Edition)、今回はインイヤー型イヤフォンそのものがトランペットを思わせるデザインになった。例えば、細身のハウジングは金属的なゴールドで、背面がマウスピースの形になっている。またコントローラ部分はトランペットのピストンバルブを模したもの。ジャズファンならずとも手に取りたくなるユニークなイヤフォンに仕上げた。発売時期や価格は未定となっている。
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