CEED(シード)は、“無共振”という理想を追求した小型スピーカー「attitude 682s」を発売した。スピーカーにつきものの不要共振を取り除き、音のひずみを抑えるユニークな機構を開発、「揺れないスピーカー」を作り出した。価格は1本17万円。
同社によると、共振によるひずみが発生する主要因は、スピーカーユニットが振動したときの“反作用”だという。スピーカーは、振動板を揺らして音を出すとき、前方のみならず背面側にも音を放射する。振動板の運動(作用)に対する反作用がエンクロージャー(キャビネット)に伝わり、位相のズレやひずみが付加されて周囲に放射されてしまう。これがスピーカーの音質を低下させると指摘する。
さらに、エンクロージャーの振動が振動板の動きに干渉したり、ユニットの駆動部が揺れて空気へのエネルギー伝達効率が低下し、過渡特性(トランジェント)を悪くする原因にもなるという。
同社は、エンクロージャーを振動させないため、2つのユニットを背中合わせに連結。これを同時に駆動することで、互いの反作用を打ち消すことができるという。ユニットはリンケージシャフトによってエンクロージャーから独立(フローティングマウント)しているため、エンクロージャーとの相互干渉も起きない設計になっている。
スピーカーを背中合わせにして振動を抑える手法は、パナソニックのAVラックなどでも採用されている。もっとも背中合わせにするのはウーファーであり、振動を抑える目的もラックのガラス扉がならないようにすること。音質を追求するためにフルレンジスピーカーを連結したCEEDのアプローチとは異なる。CEEDでは、この機構を「FCDL(Floating Counter Drive Layout)」とし、現在実用新案登録出願を行っている。
使用したユニットは、Peerless製の8センチフルレンジ。メインユニットとカウンターユニットに使うため、マッチング処理とカスタムチューニングを施した。このカウンター構造は、低音入力時に発生する混変調ひずみも抑え、小口径スピーカーならが高い低音再生能力を獲得したという。さらにローレンジの拡大を図るため、エンクロージャー内部で2つのユニットが出す低域を合成する「コンパウンドベース」を設け、エンクロージャーの前面には「デュアルフレアポート」と呼ぶバスレフポートを設けている。
主な仕様は下記の通り。
製品名 | CEED attitude 682s |
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ドライブユニット | 80ミリアノダイズドアルミコーン×2 |
再生周波数 | 40〜2万2000Hz |
インピーダンス | 4オーム |
ターミナル | バナナプラグ対応 |
外形寸法 | 160(幅)×360(高さ)×320(奥行き)ミリ |
重量 | 8.2キログラム |
カラー | マットブラックフィニッシュ |
価格 | 17万円(1台) |
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