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外出先から録画番組を視聴できる「DTCP+」、デジオンも本格展開Android/iOS版プレーヤーも開発

» 2013年01月23日 20時19分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
「DiXiM.NETサービス」のロゴ。今回の「DiXiMリモートアクセスサービス」を含め、デジオンが提供するクラウドサービスのブランドになる

 デジオンは1月23日、自宅のNASに保存した録画番組を外出先から視聴できるDTCP+対応の「DiXiMリモートアクセスサービス」を発表した。同社が今後展開する「DiXiM.NETサービス」の一環。アイ・オー・データ機器が発売するDTCP+対応NAS「HVL-Aシリーズ」に合わせて2月から商用サービスを開始する。

 DTCP+のリモートアクセスについては、デジオンやアイ・オー・データ機器も参加する一般社団法人デジタルライフ推進協会(DLPA)が同日、「DLPAリモートアクセスガイドライン」を発表。バッファローも対応NASの開発を表明するなど、実用化に向けて加盟各社が一斉に動き出している。

DTCP+対応NAS。アイ・オー・データ機器の「HVL-Aシリーズ」(左)とバッファローの「LS300AVシリーズ(仮称)」。DTCP-IPダビング(ムーブアウト)が可能な録画テレビやBDレコーダーからNASに録画番組をダビングしておけば、外出先のPCなどからリモート視聴が可能になる

 DiXiMリモートアクセスサービスは、リモート接続に必要となるソフトウェアと“NAT越え”などのサポート機能をまとめて提供するというもの。もっとも初期設定時を除いてエンドユーザーの目に直接触れるものではなく、「リモートアクセスを支えるバックエンドとして動作する」(同社)。

DiXiM.NETサービスの概要。NAT越えにはSTUN(Simple Traversal of UDP through NATs)やSIP(Session Initiation Protocol)といった標準的な技術を組み合わせて利用する

 デジオンの田浦寿敏社長は、「テレビ放送がデジタル化されはじめた2003年以降、なかなか実現できなかった“デジタル放送録画番組をデジタルのまま宅外でリモート視聴すること”をついに現実のものとする記念碑的な製品とサービス。コンテンツ保護の観点においても一切の妥協やごまかしを廃し、現行ルール内で厳密に実装をおこなっている」と話している。

Windows版プレーヤーソフト「DiXiM Digtal TV 2013 for I-O DATA」の画面イメージ。外部からリモートアクセスしたところ

 デジオンは、複数のプラットフォームに向けたプレーヤー/サーバソフトウェアの開発も積極的に進める。HVL-Aシリーズを購入すると無償ダウンロードできる「DiXiM Digtal TV 2013 for I-O DATA」(Windows版)に続き、2013年前半にはAndroid版のプレーヤー、後半にはiOS版プレーヤーを提供する計画だ。「Android版はすでに動作しており、仕上げの段階に入った。リモートアクセスにおいては、3GやLTEを直接利用できるスマートフォン/タブレットを重視している」(同社)。なお、Mac OS版に関しては、現状でDTCP-IPの実装ルールに沿った出力制限が困難なため、「解決のめどが立った時点で検討する」としている。

 「DiXiMリモートアクセスサービス」は、対応するNASを購入すれば無料で利用できる。なお、現時点で有償化の予定はないものの、同社ではDiXiM.NETブランドのサービスを将来のビジネスの柱として育てていく考えだという。

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