ITmedia NEWS >

オラソニックの“ナノコンポ”第1弾「NANO-UA1」が正式デビュー小さな本格派

» 2013年02月26日 15時31分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東和電子の“Olasonic”(オラソニック)ブランドから、初の据え置き型オーディオとなる「NANOCOMPO」(ナノコンポ)シリーズが登場した。第1弾の「NANO-UA1」は、USB DACを内蔵した小型プリメインアンプだ。

「NANO-UA1」。縦置きも可能だ

 「NANOCOMPO」は、縮小を続けるホームオーディオ分野に対し、市場ニーズを再検討して開発した「これからのオーディオの形」(東和電子の山本喜則社長)。“ほぼCDジャケットサイズ”という小型ボディーに本格的な機能を詰め込み、PCとの親和性が高い。これらの共通コンセプトを持つ製品をシリーズ化する計画で、夏商戦前にはCDトランスポート(デジタル出力のみのCDプレーヤー)「NANO-CD1」や単品D/Aコンバーター「NANO-D1」などを投入する予定だ(→関連記事)。

 第1弾となる「NANO-UA1」は、PCとスピーカーがあればすぐにPCオーディオが始められる手軽な一体型アンプ。デザインは、昨年のオーディオ&ホームシアター展に出品したものと大きく異なり、パールを多く含むというホワイトに塗装された。「ホームシアター展以降、各方面からさまざまな意見をもらった。その中に『高級機の雰囲気を出せないか?』というものがあり、カラーリングを含めて細部まで検討し直した」(同社)という。改めてNANO-UA1を眺めると、底面からビスが消え(ゴム足で隠した)、背面には赤いジャック板を採用、ボタンやボリュームの形も変わった。

AVラックよりデスクサイドやカウンターが似合いそうなデザイン。背面にはマニア心をくすぐる赤いジャック板を採用した

 内蔵DACは、Ti製のBarr-Brown「PCM1792」。USB入力では96kHz/24bitまでのリニアPCM(WAV、FLAC)、同軸/光デジタル入力は192kHz/24bitまでサポートした。専用ドライバーを導入する必要のない「ドライバーインストール・フリー」にこだわったという。また、対応OSもWindows XP/Vista/7(32bit/64bit)/8、Mac OS 9.1、Mac OS X 10.1と幅広い。

 入力信号は、同じくBarr-Brownのレートコンバーター「SRC-4392」により、すべて192kHz/24bitにアップサンプリングする。アシンクロナス転送も可能。またヘッドフォンアンプ部にも「OPA2132」を使用し、出力段をダイレクト出力として低域を充実させるなど、「人気の高い高級ヘッドフォンに対応できる仕様にした」(同社)。

 パワーアンプ部は、やはりTi製のデジタルアンプ「TPA3118」を採用し、同社の“卵形スピーカー”でおなじみの「SCDS」(Super Charged Drive System)と組み合わせた。SCDSは、音楽信号の波形の特性を利用し、小さな波のときは余った電気をキャパシターに蓄え、大きな波が来たときに使う仕組み。「小さな電源でも大きなパワーが取り出せる。26ワット(ダイナミックパワー、4オーム負荷時)という出力ながら、数値を超えたパワー感が得られる」(山本氏)。

メカニカルボリュームを生かす「ハイブリッド・ボリウム」

 もう1つの特長が、「ハイブリッド・ボリウム」だ。これは、メカニカルボリュームの操作感とワイヤレスリモコンの利便性を両立させるという試み。一般的にリモコン操作を行うボリュームにはロータリーエンコーダーやモーター内蔵型が使われ、リモコン操作と同時にボリュームツマミも回る仕組みになっているが、ツマミを回したときのフィーリングはあまり良くない。

 一方のNANO-UA1では、リモコンで音量を操作すると、フロントパネルの「RM」(リモコン)ランプが点灯。当然メカニカルボリュームは動かないが、リモコンのボタンで音量は上下する。次にボリュームツマミを動かしたとき、「RM」ランプが消えてボリュームツマミの位置の音量に戻る仕組みだ。つまり、「普段の音量調整はリモコンで行い、ツマミは“いつもの位置”にしておくことができる。なにより、メカニカルボリュームは回した時のフィーリングが良い」(山本氏)。

リモコンを操作すると「RM」ランプが点灯し、音量のコントロールがリモコンに移る

 高級感のあるデザインにイマドキの機能とオーディオ的なこだわりを詰め込んだ「NANO-UA1」。価格は7万3500円で、4月下旬に発売する予定だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.