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4Kテレビのカタチはさまざま、生活密着型のディスプレイも多数展示した東芝2014 International CES

» 2014年01月10日 21時56分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 既報の通り、「2014 International CES」の東芝ブースは4Kにフィーチャーするとともに、「4Kプレミアム」と呼ばれる同社が現時点で持ちうる技術をすべて投入したというモデルを中核として展示が行われている。ただ事前資料ではあまり触れていなかったテーマ展示や技術展示にも興味深いものがあり、新たなビジネスを開拓しようという意気込みが感じられる。

東芝ブース正面のディスプレイはやはりUltra HD(UHD)こと4Kがメイン(左)。21:9のアスペクト比を持つ4Kならぬ「5K」の105V型。映画に適している(右)

CES開幕前のプレスカンファレンスでも紹介された東芝の技術の多くを投入した4Kプレミアムと、多目的タブレットのBorderless Boardの展示

 4KプレミアムとBorderless Boardについては既報の通りだが、それ以外にもいくつか興味深いディスプレイ技術が散見された。1つが21:9のアスペクト比を持つシネスコサイズ(ほぼ2:1)の「5K」テレビだ。

 また一見すると普通の4Kテレビに見えるが、実は曲面液晶パネルを採用したテレビも参考展示している。曲面ディスプレイは焦点部分から眺めると角度の違いによる映像の変化の影響を受けにくいというメリットがあるものの、コストや実用面でまだまだ問題があるのも現状だ。韓国メーカーを中心に曲面テレビのメリットがさかんにアピールされているが、実際に市場でのプレゼンスを得られる機会があるかは今後も見届けたい。このほか4K時代の鍵を握る符号化技術「HEVC」(H.265)デコーダーの技術展示なども展示されていた。

一見すると普通のテレビだが、実は曲面液晶パネルとなっている。側面から見ると、わずかに湾曲していることが確認できる

4Kディスプレイを搭載した一般向けノートPCならびにワークステーション。このあたりが4Kに関する展示の中心(左)。4Kテレビ時代に重要となるHEVC(H.265)デコーダーの展示と動画再生デモ。現在主流のH.264の2倍程度の圧縮効率を持ち、4K時代の映像伝送に欠かせない(右)

「Magical Mystery Mirror」って何

 もう1つ注目なしたいのが新しいディスプレイ技術だ。「Magical Mystery Mirror」は、鏡に情報を浮かび上がらせて情報端末の1つとして活用するもので、例えば化粧台や洗面台の鏡などにこの装置を仕掛け、ふだんは普通の鏡だが、人物が立つと情報ディスプレイとしての機能がオンとなり、今日のニュースや天気予報などの情報が表示される。鏡の上にうっすらと情報が浮かび上がる半透明ディスプレイのような仕掛けのため、例えば髪をとかしたり服を着替える合間にリアルタイム情報も確認できるといった趣向だ。

ディスプレイの新しい用途を模索する技術展示が多い。「Magical Mystery Mirror」と銘打たれた鏡の前に立つと、さまざまな情報が浮き上がって表示される。ディズニーランドにあるトリック鏡のよう(左)。こちらは棒状に並んだ鏡のオブジェクトに情報が浮き上がって表示される。サイネージ用途を想定しているようだ(右)

 同様に台所向けの情報ディスプレイも展示されており、こちらはレシピ確認など「生活に密着したディスプレイ」をテーマにしたものだ。このほかにも一見すると鏡のオブジェの前を人が通過すると、映像や情報が浮かび上がるサイネージのようなソリューションも提案されており、東芝全体として「いかにディスプレイ技術をさまざまな場面で活用してもらえるか」ということを訴求しているようだ。

先ほどのMagical Mystery Mirrorと同じ要領で、洗面台や台所に設置されたミラーにコンテンツが表示される仕組み。洗面台は鏡の機能を維持しつつ朝のニュースや天気が表示され、台所は鏡というよりもレシピなどを表示する多目的ディスプレイのようなものになっている

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