続いてヴァン・デア・エルスト氏は、世界におけるHDD市場の動きを簡単に解説した。まずヴァン・デア・エルスト氏は、Googleによる「ここ10年で人類が作り出したデータの総量は、人類史上かつてないほど大きい」という調査結果を紹介し、人間が作るデータは年を追うごとに大きくなる一方であると説明した。
では、どこでそんなにデータが増えているのだろうか? 企業の従業員が作るExcelやPowerPointのデータは、データ量としてはさほど大きくない。データ量を爆発的に増加させる原動力とはなり得ない。
ヴァン・デア・エルスト氏が挙げた正解は、家庭だ。家庭で消費者が高解像度の写真、音楽データ、動画データを蓄積していくことで、毎日のように巨大なデータができている。そこで、現在は家庭向け外付けHDDの需要が高まる一方だという。
最近はSSDなど、NANDフラッシュメモリを利用して高速アクセスを実現している製品がある。これらの製品は成長していることは確かだが、絶対的な記録容量が足りないため、HDDの代替とはなりきれていないとヴァン・デア・エルスト氏は言う。3Tバイト、4Tバイトといったデータを確実に格納できる機器は、この世にHDDしかないのが現状だと説明した。
ヴァン・デア・エルスト氏に続いて、エレコム常務取締役の梶浦幸二氏が登場し、日本におけるSeagate製品の展開について説明した。すでに販売しているLaCie製品はThunderboltやFire Wire 800など、高速な入出力インタフェースに対応するものが中心の品ぞろえになる。コンシューマー向けと言っても、特殊なインタフェースを扱える環境にある上級者を狙うものになるだろうとのことだ。
しかしこの品ぞろえではコンシューマ向け外付けHDD市場のうち、高価格帯の製品しかそろわない。USB接続のみに対応するシンプルな作りの製品が必要になる。梶浦氏は、このような製品がコンシューマ市場の需要のうち80パーセントを占めるという見方を示した。そして、その需要に応える製品がSeagateブランドの外付けHDDだとした。
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