ソニーは2月19日、microSDXCメモリーカードの新製品「SR-64HXA」を発表した。記録/読み出し時の「質の改善」(同社)により、記録した音源本来の音を引き出せるというもの。64Gバイト版の1モデルで、市場想定価格は1万8500円前後(税別)。
オーディオ機器とフラッシュメモリ製品の両方を手がけるソニーならではのアプローチ。サウンド事業部門とストレージメディア事業部門が協力し、音質に影響すると思われるメモリーカード内の技術要素に対策を施した。
大きく3つのポイントがあり、その1つは「転送速度にこだわらず、オーディオに支障ない範囲で信号を安定させることに最大限配慮した設計」(同社)。スペック上は「Class 10」表記だが、本来ならもっとスピードの出る部材を使用しているという。
2つめは、使用する部材を固定し、製造ロットによる品質の差などをなくすこと。メモリーカードというとロットごとのバラツキにより、アタリ/ハズレがあるイメージだが、この製品は常に品質が保証されたメモリーカードとなる。なお、製造は台湾で行う。
3つめは、同社従来品に比べてデータの読み出し時に発生する電気的ノイズの輻射強度は全帯域にわたって下げたこと。プレイヤー側への悪影響を抑え、音源本来のクリアな音を再現できる。
ただし、開発担当者によるとノイズの輻射強度のようなデータはどちらかといえば“後付け”。実際には「音響エンジニアが1音1音、確認しながら良い方向に持っていった。すると、結果的に輻射レベルが下がっていた」(同社)という。「現状ではまだ内蔵メモリのほうが輻射レベルは低いが、今まではメモリーカード自体が何もケアされていなかった。材料を厳選、管理し、音のクオリティが維持されている業界初のメモリーカード製品だ。アタリ、ハズレでいうと、音質に関しては絶対にハズレはない」(同社)。
ソニーでは、「for Premium Sound」とパッケージに表記してオーディオ向けであることをアピール。なお、64Gバイト以上の容量の製品についても検討はしているものの、「部材の特性をチェックし、音質評価を行うには時間がかかる」として当面は64Gバイト版1本でいく方針を示した。
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