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あの注目機種はどんな音?――ファイナルの63万円超弩級モデルやゼンハイザー新密閉型を聴いてきた春のヘッドフォン祭2015(5/7 ページ)

» 2015年05月18日 12時30分 公開
[山本敦ITmedia]

FitEarの「萌音」はどれくらいオトナになったのか?

 ヘッドフォン祭の開催直前に発表され、大きなインパクトを与えたイヤフォンの1つが須山歯研/FitEarの「萌音17歳(Monet17)」ではないだろうか。アニソン再生に特化したという、カスタム・インイヤーモニター「萌音(Monet)」の後継モデルに位置づけられる。

FitEarの「萌音17歳(Monet17)」

 ドライバーの構成はオリジナルの萌音と同じ3Way3ユニット4レシーバー構成。内部のネットワークの構成を見直して、ボーカルの再現性を高めている。ケーブルはしなやかさをアップさせた「007ケーブル」に変更。基本的な線材は変えていないが、音づくりのために銀線と銅線の配分比率に手を入れているという。

 FitEarのブースは、いつの時間帯に訪れても長い行列ができている。筆者も意を決して列に並んで、新しい「萌音17歳」のサウンドを聴いてみた。確かにボーカルの生命感がぐんと前に迫ってくるような鮮度の高さは桁違いだ。ディティールの緻密な再現力にも秀でていて、見晴らしがとてもクリアだ。J-POPの楽曲は霧が晴れたようにアレンジの細部までキリッとした情景が広がるとともに、音の一粒ずつがビビッドだ。試聴用のデモ機でこのパフォーマンスが感じられるのだから、きちんと耳型のインプレッションを採取してカスタマイズしたものもぜひ聴いてみたくなった。

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