プロ用機としてデビューした「AVS-4K22-104」だが、ホームシアターにおいても4K映像を分配しようとすると、このモデルをおいてほかにはないので、発売されたばかりの製品を用いてテストしてみた。送り出し側の機器にはパイオニアのBDプレーヤー「BDP-LX88」とシャープの4Kレコーダー「TU-UD1000」を、受け側にはプロジェクターにソニーの「VPL-VW1000ES」(バージョンアップ済み)と東芝の4Kテレビ「43J10X」を同時に接続して使っている。
最初はHDCP2.2が介在しないパターン。「BDP-LX88」の映像出力を4Kにアップコンバートして映画ソフトを視聴してみた。「BDP-LX88」は4K/24p(4:4:4)の信号を出力するが、プロジェクター、ディスプレイともこのBDプレーヤーの持ち味を活かした色彩感に富んだ映像が味わえる。「AVS-4K22-104」はSN感が高く、余計な演出も加えないのでプロジェクターを用いた大画面再生にも安心して供することができる。いくぶん映像の描写が丁寧になるがプロジェクターへの分配に使用しても信号の劣化はほとんどないことが確認できた。
「TU-UD1000」につなぎ替えて4K/60pネイティブの録画番組を再現すると、同様にノイズの浮きの少ないすっきりとした映像を観ることができた。分配器は何も加えず何も引かずという物づくりが理想だが、このモデルはそうしたことがしっかりと守られている気がする。ただしHDCP2.2に対応していないAVアンプを経由すると映像信号は出力されないので、この場合は分配器からダイレクトにプロジェクターやディスプレイへ接続する必要がある。
業務用機なので外観はお世辞にも見栄えが良いとはいえないものの、本来の役割に徹した作りには信頼感が持てる。ホームシアター・ユーザーも安心して使うことのできる分配器である。
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