さて、映像を中心に日本の大手2社の発表について紹介したが、ソニーブースのオーディオ製品の充実には正直驚かされた。「NW-ZX1」の音質を改良し、Android OSから独自OSへとソフトウェアプラットフォームを切り替えた「NW-Z100」が注目を浴びるだろうが、もっとも感心したのは「CAS-1」というコンパクトオーディオシステムだ。
机の上でPCとともに使うことを想定した設計で、スピーカーとアンプ内蔵USB-DACのセットで800ユーロ程度とは思えない音を出していた。日本では約8万円程度になるだろう。
この小さなシステムが作る立体的な音場はハイエンドオーディオに近い品位を備えている。もちろん、小型システムのため低域再生能力の低さはぬぐえないが、小音量時の音質改善にも取り組んでいる上、ヘッドフォン出力にも「PHA-2」相当の回路を組み込んでいるため、ヘッドフォンのファンにもおすすめしたい。
パナソニックはTechnics(テクニクス)ブランドの高級オーディオに新しい価格帯の製品ライン「グランドクラス」を設け、ネットワークオーディオアンプ「SU-G30」とミュージックサーバー「ST-G30」(いずれも欧州で2016年春に発売予定)を発表した。ほかにも欧州で年内に発売するというオールインワンHi-Fiシステム「OTTAVA」(SC-C500)、ヘッドフォンの「EAH-T700」なども登場しているが、もっともインパクトを与えたのはアナログレコードのターンテーブルだった。
テクニクスブランドの中でも、もっとも長く親しまれてきたダイレクトドライブ式ターンテーブル「SL-1200」シリーズの記憶がいまだに残る中、最新技術を投入して新製品を鋭意開発中という。
このほか、現地で何人かに取材して分かったUltra HD Blu-rayに関する動向がある。サムスンの発表会は明日だが、どうやらUHD BDプレーヤーの発売が来春まで遅れる模様。このためUHD BDのグローバルでの立ち上がりは遅れることになると思われるが、パナソニックが最上位のレコーダーにUHD BDを採用することが確実となっており、日本市場向けには予定通り投入されるだろう。
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