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平面振動板の課題を克服した――エミライが輸入を決めた米国の新興ヘッドフォンブランド「MrSpeakers」とは?ヘッドフォン祭で発表会

» 2015年10月23日 20時02分 公開
[ITmedia]

 エミライは10月23日、サンディエゴに本拠を置くオーディオメーカー、MrSpeakersの輸入代理業務を開始すると発表した。「従来の平面振動板が抱えている課題を克服した」(同社)というヘッドフォン「ETHER」および「ETHER C」を10月24日に発売する。

 MrSpeakersは、オーディオ機器の設計エンジニアであるDan Clark(ダン・クラーク)氏が2013年4月にカリフォルニア州サンディエゴで設立した新興メーカー。クラーク氏は、Platinum Audio speakersなど複数のメーカーで民生用ハイエンド機器から業務用の大型スピーカーまでを手がけてきたという。

開放型の「ETHER」

 「ETHER」は、特許技術である「V-Planar振動板」を搭載した開放型ヘッドフォン。エミライによると、V-Planarテクノロジーは「振動板をローレット状に加工することで、低い周波数から空気を振動。さらに動作スピード(過渡応答)を高速化してドライバー面をより線形的に動作させることにより、ダイナミックレンジや周波数特性、低域のひずみ率を改善した」という。「これまでの常識を覆す広大な音場表現、リアルなディテール再現力は、ヘッドホンリスニングの新たな可能性を示す」(同社)。

ETHERはシングルエンドの平面ドライバーユニットを採用。ローレット状に加工することで、低い周波数から空気を振動させるという

 またアルミ合金削り出しのバッフルやピボット部、3Dプリンターにより成型される音響調整機構、着脱式ケーブルといった特徴もある。

 本体重量は385グラム。インピーダンスは23オーム、感度は96dB/mW。価格は24万8400円(税別)。

密閉型の「ETHER C」

 一方の「ETHER C」は、V-Planar振動板を採用しながら屋外での使用も想定した密閉型ヘッドフォンだ。専用のチューニングを施し、密閉型でありながら「驚くべき広大な音場と精密な音像表現を実現した」という。アルミ合金削り出しのバッフルや3Dプリンターを活用した専用の音響調整構造、着脱式ケーブルなど、密閉型ながらETHERと同じコンセプトでデザインされている。

 本体重量は394グラム。インピーダンスは23オーム、感度は96dB/mW。価格は24万8400円(税別)となっている。なお、両モデルで使用できるオプションケーブルとして4ピンXLR端子付きDUMケーブル(1.8メートルで3万2400円〜)なども用意している。

 エミライでは、10月24日から東京・中野サンプラザで開催される「秋のヘッドフォン祭2015」でMrSpeakers製品の展示・試聴を行う。また創立者であるDan Clark(ダン・クラーク)氏も来日し、一般ユーザー向けの製品発表会を開催する。場所は中野サンプラザ7階の研修室9。日時は10月24日、14時〜15時となっている。

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