オンキヨーは、バイオマス素材「ピュアセルロースナノファイバー」(CNF)を使用した振動板の開発に成功した。2016年から商品化し、車載スピーカーや自社ブランド製品などに採用する方針。振動板の主原料である木材パルプを構成する繊維をナノレベル(1ミリの百万分の1)まで細かくして採用するという、”最先端の製造技術”を確立したことになる。
CNFとは、植物細胞壁の骨格成分で植物繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで得られるもの。軽くて強い性質で、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強度を持つという。また、植物由来のため、持続型資源で環境負荷が少ないのもメリット。優れた補強用繊維として注目されている。
振動板としては、CNFをパルプに混抄することで強さとしなやかさ、軽さを実現。さらなる音質の向上を果たしたという。「スピーカー振動板の物性値で重要なヤング率は2倍に向上、高域再生帯域が拡大した」(同社)。また同社では、「今後はあらゆる用途に適したスピーカーの開発や市場開拓を行い、B to B事業およびAV事業の拡大と業績向上を目指す」とコメントしている。
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