オンキヨー&パイオニアイノベーションズは10月14日、両ブランドからそれぞれデジタルオーディオプレイヤーの新製品を発表した。設計コンセプトや部材を共有しながら、それぞれの特徴も追加した兄弟モデル。11月下旬に発売予定で、パイオニアの「XDP-100R」は実売5万9800円前後、ヘッドフォンのバランス駆動に対応したオンキヨー「DP-X1」は6万9800円前後(税別)になる見込みだ。
Android 5.1.1を採用し、アプリの追加はもちろん、「e-onkyo music」からの楽曲直接購入やストリーミング音楽サービスへの対応も可能なDAP(Digital Audio Player)。定評のあるハイレゾ再生アプリ「HFプレイヤー」をそのまま活用し、最大384kHz/24bitのPCM音源(WAV、FLAC、ALAC、AIFF)や11.2MHzまでのDSDを再生する。ディスプレイは4.7インチ(1280×720ピクセル)で、新開発のGUI(シェル)と合わせて基本的な操作はすべて片手で行える。
ハードウェアは、ESS Technologyのプラットフォームを採用。DACの「ES9018K2M」とアンプの「SABRE 9601K」を組み合わせ、単品コンポと同様にCPU部からオーディオ回路を離すなど極力ノイズの影響を抑える設計とした。なお、ES9018K2Mは32bit音源まで再生できるが、Android OSの制約で24bitまでのサポートとなっている。
オンキヨーの「DP-X1」は、上記の「ES9018K2M」と「SABRE 9601K」を2基ずつ搭載し、2.5ミリ4極端子によるイヤフォン/ヘッドフォンのバランス駆動をサポートしていることが大きな特徴だ。さらに片側のアンプをあえてGND(グランド)制御のためだけに使い、安定したGND確保を可能にする「ACG」(アクティブコントロールグランドモード)も装備。「2つのバランス出力の違いも楽しめる」(同社でDAPを担当する土田秀章氏)という。
一方のパイオニア「XDP-100R」も、シングルDACの低価格モデルというだけではない。先に登場した同社製ポタアン「XPA-700R」とデザインを共通化しており、重ねた場合でも違和感がない。この場合、両機はMicro USBのOTG出力で接続する形となり、楽曲や好みに合わせて内蔵ヘッドフォンアンプと使い分けることができる。
そのほか2機種の共通仕様として、32Gバイトの内蔵メモリと2つのmicroSDカードスロット、ロックレンジ精度を調整することでジッターノイズを軽減する「ロックレンジアジャスト」機能、将来のMQA再生サポートなどが挙げられる。発表会にはMQAのチェアマン、ボブ・スチュアート氏も登壇し、従来のハイレゾ音源よりもファイル容量を格段に減らすことのできるMQAを紹介した。なお、両機種のソフトウェアアップデート時期は未定だ。
ブランド | オンキヨー | パイオニア |
---|---|---|
型番 | DP-X1 | XDP-100R |
バランス出力 | あり | なし |
定格出力 | 75+75ミリワット(バランス)、150+150ミリワット(アンバランス) | 75+75ミリワット |
OS | Android 5.1.1 | |
通信機能 | Bluetooth、Wi-Fi(IEEE 802.11b/g/n/ac) | |
外形寸法 | 75.9(幅)×128.9(高さ)×12.7(厚さ)ミリ | 75.9(幅)×145.9(高さ)×13.9(厚さ)ミリ(バンパー装着時) |
重量 | 203グラム | 203グラム(バンパー装着時) |
実売想定価格(税別) | 6万9800円前後 | 5万9800円前後 |
同時に双方のブランドからハイレゾ対応ヘッドフォンやイヤフォン、Bluetoothスピーカーなどがリリースされた。オンキヨーブランドでは、密閉型ヘッドフォンの「H500M」とカナル型イヤフォン「E700M」、薄型Bluetoothスピーカー「X9」がハイレゾ対応モデルとして登場した。X9の場合、USB入力を利用してハイレゾ再生が行える。
一方のパイオニアブランドでは、クラブミュージックを楽しむ「Superier Club Sound」シリーズにハイレゾ対応の新モデル「SE-MX8」が追加された。さらに参考展示として、オンイヤータイプの密閉型ヘッドフォンも披露されている。5月に発売した約25万円の「SE-MASTER1」よりも手軽にハイレゾを体験できるHi-Fi指向のモデルになるという。ただし、価格や発売時期などの詳細は未定だ。
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