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新しいiPad Proと“使い放題”の格安SIM、動画配信でどこまで使える?山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(3/4 ページ)

» 2016年04月15日 18時05分 公開
[山本敦ITmedia]

 筆者が今回、ワイヤレスゲートの“データ使い放題”のSIMカードに最も期待しているのは、動画配信サービス「Netflix」が快適に見られるようになることだ。Netflixでは独自製作のものを含めて、沢山のリッチな動画コンテンツが配信されている。標準のHD画質のプランなら月額980円と割とリーズナブルだし、テレビ向けには4K配信も実現している。唯一の課題は、スマホやタブレットなどモバイル端末をWi-Fiにつなげられない環境では、動画を端末にキャッシュ(一時ダウンロード)しておける機能がないので、LTEネットワークへの接続が必要になるという点だ。だからこそ、“データ使い放題”の格安SIMカードを、恐らくモバイルでNetflixを楽しんでいる多くのユーザーが待ち望んでいるのだと思う。外出先でデータ通信が速度制限を気にすることなく使えるようになれば、Netflixをはじめとする動画配信サービスのユーザーは今以上にもっと増えるのではないだろうか。

 視聴を開始する前に、Netflixが推奨しているインターネット接続速度を確認しておこう。「最低接続速度」とされているのは0.5Mbps、「推奨接続速度」は1.5Mbps。ワイヤレスゲートのSIMカードが上下最大通信速度としている3Mbpsが出せれば、NetflixではSD画質の映像が視聴できるとされている。

 まずは下り1Mbps前後の速度が出ている自宅で視聴してみる。作品はシーズン2が始まっている「デアデビル」を見た。映像に時折大きなブロックノイズが乗ったり、被写体の輪郭にも頻繁にモアレが発生するほど、映像の画質をシビアに評価するのは正直難しいレベルだが、登場人物の顔の表情や大まかな背景はちゃんと確認できる。字幕の文字もシャープ。まあ、ストーリーを追いかける分には十分だ。もっとも、自宅にいながら、敢えてWi-FiにつながずにNetflixを視聴することは有り得ない。いよいよ屋外での調査に乗り出した。

 その前に、Netflixのプロフィール画面から「再生設定」を済ませておこう。Netflixではアカウントごとに「データ使用量」を4つのメニューから設定できる。その内訳は「低(0.3GB/時)」「中(SD 0.7GB/時)」「高(最高画質=契約内容により、HDは最大3GB/時、UHDは最大7GB/時)」「自動(インターネット接続速度に応じて最高画質に自動調整)」に分かれている。当然ながらデータ量を減らした分だけ画質が影響を受ける。今回は使い放題のサービスを実験するとは言え、最大速度が3Mbpsに制限されているので、消費するデータ容量をなるべく抑えながら安定した動画視聴ができるように「低(0.3GB/時)」に設定しておく。

Netflixのデータ通信量設定は、アカウント情報>マイプロフィール/再生設定の中にある

 まずは都内某所、お昼時の12時頃にカフェで視聴してみる。思いっきり都心にあるチェーン店なのだが、駅からは少し離れているので来客は少なめ。下り通信の実効速度は平均値で大体1.2Mbps前後まで出ている。結果から言うと、Netflixはまずまずの快適さで視聴ができた。トップページからエピソードを選んで動画の再生が始まるまで、およそ5秒〜10秒前後と及第点だ。試しに、再生をいったん中断してメールやブラウザアプリを使ってからNetflixに戻ってみても、ストレスなく動画再生が再開できる。ただし、時折日本語字幕が付いてこないことがあり、話の筋を正確に追えなくなる。さらにカフェに集まる人の数が増えてくると、ストリーミングが中断したり、アプリがシャットダウンすることもあった。

昼間のカフェにて。数回連続して速度調査を行ったところ、下りの通信速度はだいたい1Mbps前後だった
「デアデビル」も、画質を気にしなければ視聴できる。ただ、ときおり字幕だけが出てこなくなることもあって戸惑う
同じ場所でdTVのコンテンツも視聴。動画の再生が始まるまでの読み込み時間がNetflixよりも長い。dTVの場合はそもそも外出前にキャッシュしておくことをおすすめしたい

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