次に電車で移動しながら視聴してみる。都営大江戸線の車内で14時頃に試してみたところ、下りのデータ通信の実効速度はおよそ0.5Mbps前後。Netflixの「最低接続速度」ギリギリの線だが、電車に乗っている間は特にストリーミングが途切れることなく映像が視聴できてしまった。ただし、映像は時折大きく乱れるし、字幕は相変わらず置き去りになることが多い。音声だけが頼りだ。地下鉄を降りて、エスカレーターを登って地上に向かう間にはネットワークの状態が悪くなって映像が途切れてしまった。ただ、歩きスマホや歩きタブレットはNGなので、どのみちやらない方がいい。
駅構で人と待ち合わせる時にもNetflixを見ながら時間がつぶせたら幸せだ。そこで、JR新宿駅の新南口改札でテストを続けた。計測した時間が夕方15時頃と、通勤・通学のピーク時ではないのだが、下りの通信速度は1Mbps前後出ている。だからNetflixも今回はしっかり見られた。
今回テストしたそれぞれの場所で、「dTV」アプリでも動画が見られるか試した。dTVではWi-Fi/LTEでの視聴に最適な「すごくきれい」から、3G回線でも見られる「きれい」、これよりも低画質な「ふつう」まで画質設定まで設けているが、通信トラフィックが混雑している環境では、エピソードを選択してから再生が始まるまでに1分前後の読み込みが発生する。いったん再生が始まったあとはdTVもNetflixも画質のレベルは似たようなものだが、なかなか再生が始まらないと「やっぱり無理か」とあきらめてしまうこともあり、反対に待ったのに結局は再生できない場合もある。ストリーミング再生時の振る舞いはNetflixの方が心地よいが、そのぶんdTVには見たい動画を事前にキャッシュ(一時ダウンロード)しておける機能が付いている。絶対にWi-Fiなどないであろう、古い旅館に泊まる、あるいはおじいちゃん・おばあちゃんの家へ遊びに行くことが決まっている旅にスマホを持参して、寝る前などにちょっとアニメの動画を見たい時などにキャッシュ機能が使えるととってもありがたい。Netflixもぜひ前向きに搭載を検討して欲しい。
最後に音楽配信サービスの使い勝手をAWAのコンテンツを再生しながら試した。こちらは朝の混雑する時間帯に電車の中や駅前で音途切れや、曲の読み込みに時間がかかることもあったが、最高音質の128kbpsでも大きな問題もなく再生できた。動画配信に比べて、音楽配信は外出時にはほぼ毎日、そして動画よりも長い時間利用するので、最高音質に設定していると知らないうちに大きなデータ容量を食っていることも多い。「ワイヤレスゲートSIM FON Premium Wi-Fi」のようなデータ通信が使い放題のサービスを選んで得する実感も得られた。
検証の結果、「ワイヤレスゲートSIM FON Premium Wi-Fi」のSIMカードによるデータ通信使い放題のサービスでは、上下3Mbpsの通信速度が設定されているものの、メールのチェックやWebブラウジング、SNSのほかにも、動画・音楽の配信サービスがある程度使えることが分かった。ただ、特に動画配信については高画質で見ることは難しいので、ストーリーへの没入感は低減する。ストーリー度外視で、お気に入りの綺麗な女優やアイドルの顔をうっとりと眺めることが主目的の動画視聴には不向きだ。そうなると、やはりワイヤレスゲートの場合は一緒に提供している無料Wi-Fiスポットのサービスもスマートに併用した方がよさそうだ。月額1880円で、データ専用のプランなら解約金も発生しないので、取りあえず試してみるのもありだと思う。
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