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IPSパネル搭載の“Z”が復活――価格も抑えた4Kテレビ、東芝レグザ「Z700Xシリーズ」登場(1/2 ページ)

» 2016年04月19日 14時00分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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 東芝は4月19日、液晶テレビ“REGZA”(レグザ)の新製品となる、4K対応テレビ「Z700Xシリーズ」を発表した。数年ぶりにIPS方式の液晶パネルを採用したという“もう1つのZ”だ。4月21日に発売する予定で、価格はオープン。店頭では55V型「55Z700X」が30万円前後、49V型「49Z700X」が26万円前後、43V型の「43Z700X」は22万円前後になる見込み(すべて税別)。

レグザ「Z700Xシリーズ」。基本デザインは「Z20X」を踏襲している

 東芝ライフスタイルの本村裕史氏は、IPSパネルの採用について、「2005年の『Z1000』から2013年の『Z8』まで、ZシリーズにはIPS方式の液晶パネルを使用していた。4Kになってからはコントラストを最大化するためにVAパネルに切り替えたが、リビングルームで(複数人数で)見る時などは広視野角のIPSパネルが有利。“IPSのZ”を求める声も多かった」と説明している。

スタンド部は新デザイン。カラーはつや消しシルバー

 なお、「Z700Xシリーズ」は、レグザの製品ラインアップ上は「J20Xシリーズ」の後継機となり、昨年11月に発売された「Z20Xシリーズ」と併売される。「Z700Xシリーズの登場により、“選べるZ”になった」(本村氏)。さらに同社は「G20X」の後継機となる「M500X」を追加しており、4K/HDR対応レグザは3シリーズとなった。「3つといっても“松竹梅”ではない。特上、松、竹のつもりで作った」という。

IPSパネルに合わせたチューニング

 「Z700Xシリーズ」の外観デザインは「Z20X」のそれを踏襲しており、映像エンジンも同じ「4K REGZA ENGINE HDR PRO」だが、IPSパネルに合わせたチューニングが施された。例えばIPSパネルの採用で懸念される“黒の締まり”については、表面処理を変えることで改善。これは、拡散層の前面に新たに反射防止層を配置した構造により、映り込みを低減するというもの。エリアコントロールに対応する全面直下型LEDバックライトと合わせ、明るい部屋でもコントラストの高い映像を再現したという。本村氏は、「いい感じのパネルに仕上がった」と胸を張る。

 もちろんHDRにも対応。同社では「オンエア(デジタル放送)の色域はBT.709のままで、ガンマカーブも圧縮されている。現在、ユーザーが見ているコンテンツの9割以上がこうした“通常コンテンツ”だ。この映像を(HDR対応テレビで)そのまま表示してもあまり意味はない。リアリティを出すためには映像エンジンに搭載された2つの技術が重要になる」と指摘する。1つは広い色域。Z700Xシリーズは、DCI P3の色域を90%以上カバーする液晶パネルに加え、最明色(物体色の限界)を考慮しつつ色域を拡大する技術「広色域復元プロ」、色相や輝度ごとなどにきめ細かい色のコントロールが可能な「64軸カラーイメージコントロール」などで正確に色を再現するという。

 もう1つは通常のSDR(スタンダード・ダイナミックレンジ)の映像をHDRライクに補正する「アドバンスドHDR復元プロ」。専用のアルゴリズムで輝度ヒストグラムから圧縮特性を推定、復元することで、「2K、SDRの通常コンテンツでもHDR映像のような立体感、奥行き感を楽しめる」(同社)

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