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» 2016年12月26日 14時32分 公開

スマート照明の定番、フィリップス「Hue」マスター術山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(4/5 ページ)

[山本敦,ITmedia]

Hueは体内時計のリズムを整えてくれるのか

 照明器具で生活のリズムをコントロールするという、新しいHueホワイトグラデーションのアイデアは興味深い。おそらくこれは長期間使ってみないと感覚として馴染んでこないだろうから、今回は短い時間でテストしたファーストインプレッションとして筆者の体験を報告しよう。

 シーンを「読書をする」に選んだ手応えは先述の通り。ベッドルームの灯りを就寝前に「くつろぐ」に設定して、タイマーで徐々にフェードアウトさせて消灯すれば毎日心地良く眠りにつけそうだ。「集中する」のきりっとした明るい白色の光はとても気に入った。デザイナーを営む家人が、製作した印刷物の色校正をする際に「色づけのないピュアな白色なので正確な色評価ができる」と満足していた。つまりは仕事向きの灯りということだろうか。「やる気を出す」の灯りはちょっと青味がかったホワイトで、夏場は涼しい気分になりそうだが、冬はなるべく部屋をこの色味にしたくない。あくまで気分的な問題だが。でも意外にこの灯りで勉強をしたらはかどりそうだ。

寝室にランプを設置。どんなインテリアにも馴染むデザインだ

 全体に共通していえることは、夜に6畳の部屋で使うと100%の明るさ&フルパワーにしないとどうしても「暗いなぁ」と感じてしまう。一部屋にHueのLEDランプを2灯以上設置してもいいぐらいだ。Dimmerスイッチとのペアを1対1で販売するなら、もっと明るさの天井が高いモデルもラインアップに加えてほしいと感じた。

 Hueは“間接照明”の文化が日本よりも進んでいるヨーロッパで生まれたスマートLED照明だ。ヨーロッパへ旅行にでかけて一般家庭に招いていただくと、夜でも部屋の灯りがとにかく暗いことに驚かされる。夕方になっても電気をつけるタイミングがなかなか訪れない。最初は電気代がもったいなくて節約しているからなのだろうと思っていたが、あるとき気心の知れた友人に勇気を出して「ケチってるの?」と聞いてみたところ、「僕たちは君たちと瞳の色が違って薄いだろう。だから明るい光には弱いんだよ」という答えが返ってきた。なるほど、目からウロコだった。皆さんはご存知だっただろうか? だから夏場近くにヨーロッパへリゾートにでかけると、向こうの方々は大勢サングラスをしているわけだ。

 そう、だから夜でも照明は薄暗くてちょうど良いというわけだ。ダイレクトに光が降り注ぐ照明よりも、間接照明を壁などに反射させて部屋の灯りをくつろげる雰囲気に仕上げるのがとても上手なのだ。だからHueもランプ単体での強い明るさを求めていないのかもしれない。

 そしてヨーロッパは日照時間が短い地域も多い。夏場もサマータイムを導入するから、朝も目が覚めると周囲が意外に暗かったりする。だから「朝はLEDランプの灯りで心地良く目覚められる」ことが関心事になるのだ。今回筆者もHueホワイトグラデーションを寝覚めのタイマーにできるか試してみたのだが、寝室が南向きで日当たり良好なので、7時ぐらいからはHueの照明よりも自然光の明るさが勝ってしまい、点灯しているHueが昼行灯のようになってしまった。

南向き・日当たり良好な寝室でHueによる目覚めを体験。よく晴れた日だったので、外の明るさにややHueが押され気味になってしまった

 Hueシリーズの売れ行きが今後日本国内でもさらに伸びてきたら、日本市場のニーズに合わせたより強いランプも必要になるかもしれない。日本だけじゃなく、アジアの各地域でもそれぞれのニーズに最適化した商品開発にぜひ取り組んでほしい。

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