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RAWデータはこういうときに力を発揮する(3/4 ページ)

» 2017年05月12日 12時41分 公開
[荻窪圭ITmedia]

やべっ露出オーバーだってときも多少は頑張れる

 2番目の例は露出。

 露出って要するにイメージセンサーに当てる光の量で、結果として写真全体の明るさとなって現れる。

 これ、RAWデータ云々以前にシャッターを押した瞬間に決まってる。だからRAWデータだから露出があとから自由自在ってことは……ない。

 でもRAWデータはけっこう幅広い輝度の情報を持ってるので、多少は救えるのだ。具体的な例を1つ。

 これもフルサイズの一眼レフで撮影した写真。今度の被写体は黒猫。

 黒猫が逆光で暗く写っちゃって黒猫が暗いと単なる真っ黒で何が何だか黒かったので黒猫が浮き出るように明るく撮ったという写真。

 黒猫が際立ったのはいいけど、背景が白くトんじゃってる。

 ちょっと不自然にトんじゃったので少し抑えたい。

 そういうときは「白レベル」と「ハイライト」をぐっと下げてやる。明るい箇所のレベルを落とすと思えばいい。

 そうしたら背景の白トビが抑えられ、白くトんで分からなくなってた建物のタイルの様子も浮かび上がってきた。

 ではこれをJPEGデータでやってみる。

 そうすると、確かに背景の真っ白は少しおとなしくなったが、後ろの建物のタイルの模様はトんだまま、よく見ると真っ白にトんでたとこが単に明るいグレーになっただけだ。

 つまり真っ白になってしまった箇所のデータもRAWデータにはちょっと残ってて、それを引っ張り出せるのだ。

 見比べてみるとよく分かる。

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