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RAWデータはこういうときに力を発揮する(4/4 ページ)

» 2017年05月12日 12時41分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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イメージ通りに写真を仕上げてみよう

 以上、RAWデータとJPEG画像の差が出やすい分かりやすいポイントを2つあげてみた。

 要するに、RAWでもJPEGでもあとから同じように画像をレタッチしたり加工したりできるけど、RAWデータの方がより多くの色情報や階調を持っている分、より広い幅でいじることができて仕上がりのクオリティーも上がるのだ。

 もちろんRAWデータも万能じゃない。

 ホワイトバランスはすべての可能性を持っているし、露出もJPEGに比べると少しは広い範囲の情報を持ってるので調整可能だが、フォーカスに関してはどうしようもない(ごまかすことくらいはできるけど)。

 でもこんななんてことない電線にとまったツバメの写真も、

 こんな風にしぶく仕上げることも

 こんな風に柔らかくほわっと仕上げることもできる。

 前回撮ったようなポートレートも、こんな風に少しホワイトバランスをずらして青っぽくし、露出を上げて明るくし、ハイライト部をトビすぎないよう、シャドウ部をちょっと浮かせる感じで調整し、明瞭度を下げてほわっとさせれば、イマドキのクールで華やかな写真になる。

 もう1つ、春の亀戸天満宮。逆光気味なので空が白くトんでいるが、RAWデータにはもうちょっと情報が残ってるので、明るいところをぐっと抑え、暗いところをぐっと持ち上げ、彩度と明瞭度を上げてコッテコテのコッテコテなHDR風写真にしてみた。

 スカイツリー回りの青空や雲が復活してるのが分かる。こういうコテコテな高彩度な写真に仕上げたいときはRAWデータの出番だ。

 補正前と後を上下に並べてみたので分かりやすいかと思う。

 いやあ、かなりコテコテになりましたな。

 何でもかんでもRAWで撮っておけとは思わないけど(ファイルサイズはデカいし、1枚1枚仕上げるのも面倒だし、多少の編集ならJPEGでも問題ないし)、RAWで撮ってレタッチって作業は一度経験しておくといい。

 それから、優秀なRAW現像系のソフトを1つもっておくこと。JPEG画像のレタッチにも使えるから。

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