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「EOS Kiss M」は“Kiss”の名にふさわしい優れた入門機だった(1/5 ページ)

» 2018年04月05日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
コンパクトで構えやすい「EOS Kiss M」

 とうとうキヤノンから本気のミラーレス一眼が来た!

 しかもこれ、スマートフォンユーザーに贈るデジカメ入門機としてはパーフェクトに近いんじゃなかろうか。デジタル一眼入門というより「デジカメ入門」だ。

 可愛いし小さいし安いし親切だしスマホとの接続もすごく考えられてる。その上、名前が「Kiss」である。

 おそるべしキヤノン。

 キヤノンはデジタル一眼レフの(まあ、コンデジもそうなんだが)トップメーカーであり、特にファミリー向けのデジタル一眼レフ「EOS Kiss」のブランド力は他社の追随を許さないレベルにあった。

 そのせいか、デジタル一眼レフの市場を脅かすミラーレス一眼にはあまり力を入れてない印象があり、2012年に同社初のミラーレス一眼「EOS M」発表後(ちなみに、このときのイメージキャラクターの1人が新垣結衣でありました。だからなんだといわれても困るけど)、毎年新製品は出していたものの、「デジタル一眼レフとコンデジの中間」を漂うレベルにとどまってたのだ。

 業界筋では「さあキヤノンはいつ本気を出すか」が話題になるほどだったのである。

 で、「そろそろ本気でミラーレス一眼市場にきたか?」と思わせたのが2016年秋に出た「EOS M5」であり、あれから1年半、EOS M5のテイストをエントリー向けに落とし込んだ「EOS Kiss M」が発売されたのである。

 「Kiss」シリーズのミラーレス一眼、と銘打ったところが大事。さあ、これからミラーレス一眼の時代が始まるよ、と宣言したようなものだ。ライバルは一眼レフの「Kiss X」であるといわんばかりに。

エントリー向け一眼レフ市場を席巻しそうなミラーレス

 今までもキヤノンはエントリー向けのEOS Mを出してきたわけだが、それらと異なるのは、最廉価なレンズキットが10万円を切る価格をつけながら、EVFを内蔵したこと。

 そこには「一眼レフのようにファインダーを覗いてちゃんと撮れるけど、小さくてコンパクトなのがミラーレス一眼なのだ」というメッセージが込められてる。

 デザインもEOS M5より丸みを帯びており、ぴょこんと飛び出たファインダー部が可愛く見えるほど。とくにホワイトモデルがさわやかさ満載でよい。

 重さはレンズ抜きで約387g。同じエントリークラスで小型軽量がウリの「Kiss X9」が約456gなのでそれよりずっと軽い。

きちんとファインダーを覗いて構えられる。グリップも手が小さい人でもしっかり持てる。レンズは22mmF2.0のパンケーキレンズ。ダブルレンズキットの1本だ

 背面モニターはEOS Kissらしくバリアングル式。くるっと回してローアングルやハイアングル、180度回せばなんとか自撮りもできる。

背面モニターはバリアングル式を踏襲

 エントリークラスなのでEVFもそれほど大きくも見やすくもないが十分ファインダーとして使えるレベル。

 イメージセンサーはAPS-Cサイズで約2410万画素。デュアルピクセルCMOSセンサーでAFは快適で安定している。

 さらに背面モニターはタッチパネルで、タッチ&ドラッグAFをオンにするとファインダーを覗いたまま背面モニターをタッチパッドとして利用してAFポイントを指定できる。

 では、まず撮ってみよう。

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