ソフトバンクモバイルとTSUTAYAの相思相愛で実現――「SoftBank SmartTV」の狙い(2/2 ページ)
ソフトバンクモバイルによる、スマホ連動型のスマートTV「SoftBank SmartTV」がまもなく提供される。「TSUTAYA TV」「GyaO!」「UULA」「BBTV NEXT」の映像コンテンツを楽しめるのが特長だが、なぜ今スマートTVなのか。ソフトバンクモバイルとTSUTAYAの担当者に話を聞いた。
TSUTAYA TVではハリウッド映画など約4万本を配信
SoftBank SmartTVのサービス開始当初は、4種類の映像配信サービスが提供される。
TSUTAYA TVではハリウッドの映画、ドラマ、アニメなどを中心とした作品を新作1本400円のHD画質で提供する。配信される作品は、テレビ向けに提供されているTSUTAYA TVのサービスと同じく約4万本でスタート。アダルト動画を配信している「Sexy TSUTAYA」も含めた、TSUTAYAによるフルパッケージで提供される。アニメなどでは1本あたり100円からで、旧作については月額980円で4500本の中から20本まで視聴できる月額980円の料金プランも提供される。なお、サービス開始から2013年3月31日の期間のキャンペーンとして、SoftBank SmartTVに申し込んだユーザーには、TSUTAYA TVで作品をレンタルに利用できるポイントを、1年間にわたり毎月400ポイントをプレゼントする。
ソフトバンクとエイベックスとのジョイントベンチャーとしてスタートする「UULA」(ウーラ)では月額490円で映画、ドラマ、アニメ、オリジナル番組に加えミュージックビデオ、ライブ、カラオケなど音楽コンテンツ5万コンテンツ以上が見放題で提供される。
「GyaO!」についてはグループ企業のGyaOによる無料の番組が開始当初は300本からスタートし、2000本まで拡大する予定だ。「BBTV NEXT」はアニメ、海外ドラマ、スポーツ、映画、ドキュメンタリーなど50の専門チャンネルを月額2625円で提供する。「映像に関してはナンバーワンとのところを集めてきました」と山田氏が話すように、幅広い分野をカバーする映像配信サービスが集結する。
SoftBank SmartTVの契約やスティックの販売は、ソフトバンクショップの店頭と同社のオンライン通販サイトを予定している。身近な変化として、まず全国にテレビが配置されているソフトバンクショップ店頭で、SoftBank SmartTVの専用端末によるデモンストレーションが行われる。「お客様がショップに来ていただいた場合、スマートフォンの機種を購入する流れの中で買っていただきたいといと思っています。スマホと一緒にこういう商品もあるんだよと、ショップで説明しながら買っていただくのが一番です」(山田氏)と、スマートフォンの周辺機器としても展開されることになる。
Apple TVは意識していない
テレビとスマートフォンが連動したスマートTV……という点で、SoftBank SmartTVは、ソフトバンクモバイルも販売しているiPhone/iPadと連動する「Apple TV」のプラットフォームと競合するだろう。この点について、山田氏は次のように答える。
「iPhoneを販売しているソフトバンクモバイルとしては、それは意識していません。ただ本当にSoftBank SmartTVを使ってもらえればいいと思っています。今は映像に特化していますけど、音楽対応を進めることもきるし、Androidなのでゲームもできます。そうした将来的な展望を考えると、例えば家庭用ゲーム機でさえも競合になってしまう。そこをいったんフラットに忘れようという考え方が、一番TSUTAYAさんと共感できたところですね」(山田氏)
競合についての考えは、TSUTAYA TVの立場も同じだ。「TSUTAYAとしては実店舗もありますし、自社の中でも共存しています。しかし、逆にいうとTSUTAYA TVとしてはUULAさんが来て、GYAO!などもあり、将来的に、もしかしたら他サービスも来たぞ、ということになったら、楽しいなと思えるものになります。競合だから排他してしまうと、ユーザーにも避けられてしまう。だから、我々としては全部並べて選べるようにしてもらえてもいいですし、そこはソフトバンクモバイルさんがチョイスして、良いものをお客様に届けてくれればいいと思います」と須藤氏は話す。
映像配信のサービスを盛り上げようと一丸となってスタートしたSoftBank SmartTVを、同社ではゴールではなく新たなスタートと位置づけている。まずはTSUTAYA TVをはじめとした4社の映像配信プラットフォームとしてスタートするが、近い将来、音楽やゲームといった新しい分野への拡張も期待される。
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