日興アセットマネジメントは1月17日、投資啓蒙の一環として、「明日のファンドマネージャー発掘オープン・コンペ『投信王』」を開始すると発表した。Webサイト上で仮想資金をもとに、個人投資家が日本株に投資。その運用成績を参加者同士が競い、成績優秀者は同社のファンドマネージャーの採用試験を受けられるというもの。
ビル・ワイルダー社長兼CIOは「(投信王は)実際に日興アセットマネジメントが運用している投信信託とパフォーマンス(運用成績)を競い合う。つまり投信を運用しているファンドマネージャーと競争しながら、投資を楽しく学べることができる」と話した。
投信王の参加者には仮想運用資金として、スタート時に10億円が渡される。東証1部に上場している日本の株式が対象で、個別銘柄の売買はいつでも自由にできる。複数の銘柄を売買できるが、1銘柄の組み入れは全資産の10%まで。保有銘柄数の上限は50銘柄などの制約がある。
運用成績の評価期間は2008年4月〜6月末、7月〜9月末、10月〜12月末、2009年1月〜3月末のそれぞれ3カ月間と、2008年4月〜2009年3月末までの1年間としている。Web上の運用シュミレート機能は3月から始め、4月1日から運用成績を競い合う。参加費は無料。
1年間での成績が上位5人になれば、「年間投信王」に認定される。投信王開発担当者の馬原修氏は「年間投信王になれば、ファンドマネージャーとして採用を検討する。『プロに勝ちたい』『運用会社に就職したい』と考えている人は、投信王に挑戦してほしい」という。
当日はタレントの眞鍋かをりさんがゲストに登場。数年前から株式などを運用している眞鍋さんは、「初めて投資をする人は不安なので、擬似的に投資ができるのは素晴らしい」とコメント。さらに投信王で「小学生がトップになるかもしれない。将来のファンドマネージャーが生まれるかもしれないですね」と期待を寄せた。
また日興アセットマネジメントは1月から、「+Nippon(プラスニッポン)キャンペーンを開始すると発表した。日本の株式をポートフォリオに組み入れない個人投資家が増えている中、“真の国際分散投資”として日本株の重要性をアピールしていく方針。株式運用部長の豊島清一氏は「サブプライムローン問題(米国の低所得者向け住宅ローン)などで、株価は下落している。過去の株価と比較しても、現在は割安になっている」。さらに「大企業の収益はバブル期よりも高く、新たな成長局面を迎えている」と日本株の魅力を語った。
個人投資家の運用を支援するため、日興アセットマネジメントは2月から「日興AMファンドアカデミー」を社内に開校する。資産運用に特化した教育プログラムや体験研修などを提供していくことで、投信などの理解を促すことが狙い。当初は投信の販売員を対象に研修を行い、将来的には個人投資家向けのセミナーなどを始める予定だ。
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