真面目にお話しすると、「仕組みを作る」というのは、ある程度の規模感で同じ処理を繰り返しする場合に有用ですよね。
ただ、仕組みを回すのにかかるコストがあります。「その仕組みを回すと、かけたコスト以上に効果があるか?」というのは、忘れがちですがすごーく大事なポイントです。
いいですか? 文章にすると、それを読むと当たり前に感じるかもしれませんが、多くの人は費用対効果のある仕組みの構築ができません……。だから、わざわざBPR※やら業務改革やらのプロジェクトがあったりするんですね。
しかも、大規模な仕組みになると、人の認識範囲をはるかに超えてしまうので、わけが分からなくなる。それくらいの規模感での仕組みをいじって、うまく効果を作り出して、費用を吸収できるようにできるとすごく価値がある。
みかんを1つしか売らないのに、仕組みがどうとか、そういうことを言う人は、まあ試してみたいんでしょうね。認識範囲が小さくて済む仕組みなんて簡単です。費用対効果のない仕組みはもっと簡単です。
回せば回すほど損をする仕組みを組んで喜んでいる人は山ほどいますよね。赤字の会社はそういう仕組みの中にあります。そういう仕組みの会社が、「IT化しよう!」と効率を上げようとすると、赤字が拡大したりします。よくあります。
自己満足のために会社を経営してもいいですが、キャッシュが生まれるようにしないと継続できませんよね。よく言う持続可能性、サステナビリティです。持続可能というのは、エコエコしたコンセプトですが、社会システムの持続可能性を問題にしています。
会社を黒字で組めないような人が、環境の持続可能性について語っていたりすると失笑します。「いや、あなたの会社の規模感で黒字にできないということは、社会全体で何かを狙って仕組みを組めないでしょ?」「それを語るより、自社を黒字にすれば?」ということです。
仕組みが組めなくて、具体論に逃げる人もいます。
いや、具体論から始めること自体は悪くないんですよ。ゴミを拾いましょう。ゴミを出す量を減らしましょう。モノを大事にしましょう。その具体的なアクションがあるから、全体の持続可能性を考えられる。
それはそれでいいのです。その具体的な活動から、全体の仕組みを想像して作ってみることは基本です。でも、マーケティング領域では意外と具体論は嫌われます。
隣の人にまず売ってみる。おすすめしてみる。俗に言う「営業」です。この具体的営業活動で、自動的に大量にキャッシュプラスにするために仕組みを組んだりするんですけどね。
「周りにいる人にお勧めして、売れない人がマーケティングを語ってもね」と思います。「仕組み仕組み」と言う前に、「マーケマーケ」と言う前に、周りの人に売れますか? その上で、費用対効果を考えられますか? と、つらつらと批判的に書きましたが、いかがでしょう?
企画が重視される時代ではありますが、実行できないと、企画してもリアルじゃないですよね。「バチュラー上がりで昇進してしまったパートナーは大成しない」というのもそうですよね? (伊藤達夫)
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