この5社合同選考会では、5社すべてで一次選考通過という学生から、5社すべて不通過という学生までいました。一次選考を全社通過した人、1〜4社通過した人、全社落ちてしまった人の割合は、見事に2:6:2。当初予想していた通りの分布に、ちょっとビックリしてしまいました。ここで興味深いのは、そのすべての学生に対して、5社の採用担当者たちがそれぞれフィードバックするという仕組みを取っていたのです。関係者の話がとても面白かったので、ここでそのまま掲載しておきます。
「今回トライしてみて、採用担当者として注意しなければならないなと思ったことがありました。例えば、4社通過して1社駄目だったという学生は、私たちのような取り組みがなければ、その駄目だった1社だけを受けていたかもしれない。そして、その1社から駄目だと言われて、先に進めなくなってしまっていたかもしれない。本来、5社のうちの4社は通過するはずなので、自信を持っていいはずなのに、逆に自信を喪失してしまう。そういう意味では、学生との出会い方はとても重要だし、企業にとっての課題だと思っています」
私はこの連載の第1回で「サイレントお祈り」をする企業が増えていると書きました(参照記事)。企業の新卒採用にかける費用や割く人員が少なくなり、その結果、就活生たちへのケアが極端におろそかになっている。しかし、そうすることで自信を失い、迷走してしまう就活生を生み出す可能性もあると。複数の会社で選考を実施するという、きわめて「アナログ」な手法であっても、それらを解決できる糸口は示すことができたとしたら、普段はこの原稿で揶揄ばかりされている採用担当者たちも、まだまだ捨てたものじゃないなと、私自身も反省するばかりなのです。
来週は、先ほどの「2:6:2」の正体について、少し絶望的な展開も交えて書いてみましょう。続き物で恐縮ですが、お楽しみに!
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