小飼:そこの部分の費用をどう捻出するかなんです。国が買えちゃうほどお金持ちの人がいる。だったら、お金を持ってる人たちに“貧困撲滅ゲーム”に参加していただければなあと思っています
松井:確かにね。そういう意味でいうと、ビル・ゲイツの財団がマラリアのワクチン実用化を進めていますが、「マラリア撲滅ゲーム」といった感じにするのはどうでしょう?
小飼:「遅いな……いまごろ気付いたのか」と思いますけどね(笑)。
松井:この手のゲームの参加者はもっと増えてもいいなあと思います。
小飼:ゲームが終わったら「オートパイロット」(自動化)にしておくべきでしょう。僕は「ベーシックインカム(すべての人々に一定の所得が与えられるという構想)がいい」と言っているのですが、なぜそれがいいのかというとシンプルなオートパイロットだから。なんだかんだいって「税金を払うのが好き」という人はいません。だけど、じゃあ「死んでから相続税で取るならよくないか」という話です。
松井:まあ、あの世に持って行けるわけじゃないし。「まあいいじゃん」っていう気持ちはありますよね。
小飼:お金の欠点は腐らないところです。社畜ゲームで勝つと勝者1人で1000人くらいを食べさせられる。もし報酬がピザ1000人前なら、食べられるわけないっていう話になるんです。ところがお金は腐らないし貯めることができる。
松井:ピザ1000枚なら「いいよオレ食べられないから」と配りますけどね。
小飼:だから報酬はピザでいいんですよ。ピザ本位制(笑)。配るしかない。
松井:昔は「米」が通貨という時代もありましたが、あれは健全だったかもしれませんね。
(つづく)
小飼弾(こがい・だん)
東京都出身。1991年12月米カリフォルニア州立大学バークレー校中退。その後帰国し、ネットワーク技術者として活躍。1996年ディーエイエヌを設立し、代表取締役に就任(現任)。1999年オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)の取締役に就任するも、2001年に同社取締役退任。著書に『小飼弾の「仕組み」進化論』(日本実業出版社)、『空気を読むな、本を読め。小飼弾の頭が強くなる読書法』(イースト・プレス)ほか。Twitterアカウントは「@dankogai」。
松井博(まつい・ひろし)
神奈川県出身。沖電気工業株式会社、アップルジャパン株式会社を経て、2002年に米国アップル本社の開発本部に移籍。iPodやマッキントッシュなどのハードウエア製品の品質保証部のシニアマネージャーとして勤務。2009年に同社退職。ブログ『まつひろのガレージライフ』が好評を博し、著書『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」する』(アスキー新書)を出版。Twitterアカウントは「@Matsuhiro」
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